11/26(日)モーシュの運転する580馬力のJEEP、死海の西岸沿いに2時間南にぶっ飛ばして到着したのがマサーダ要塞だ。世界遺産らしい。
何も予備知識無しに本当の本物に出会った時の感動がガンガン胸を打つ。一面の砂漠の中に切り立った断崖の上の桃源郷に立てこもる1000名のユダヤ人家族達、これを殲滅せんとするローマ軍その数12000名が眼下に陣取っていた。2000年前が眼前に広がるかのようだ。擁壁には2000年前もいたであろうカラスとツグミの混血みたいな鳥が手の上のピーナツをついばむ。
中央の四角い地面にローマ軍が陣取った。
ユダヤ戦争の戦いに敗れて数人の子供達を砦に残したユダヤ人達はローマの奴隷になるのを拒絶して皆自害する。以来ずっと彼らを尊敬し学び弔うユダヤ人は美しい民族だ。
日本人も嘗て「生きて虜囚の辱めを受けず」とユダヤ人と全く同じ気概を尊んだ。それがあの沖縄戦でバンザイクリフから身投げした同胞達に犬死だとの言葉を投げる後世の一部の日本人インテリ達よ。このマサーダに来たらきっと考えが変わるだろう。砦のユダヤ人達はローマの奴隷として働かされるのを拒むだけでなくユダヤの心を奪われるのを拒絶したのだと思う。
パレスチナの不毛の砂漠に鍬を振り緑の大地と化した勤勉なユダヤ人と同じく勤勉だった日本人。今も貧しく教育を軽んじて子供を粗末にするパレスチナ人。そして隷属を拒み続けるユダヤ人と打算的で恥の意識が薄らいだ日本人。考えさせられる一日だった。
マサーダ要塞。ユバル、アリちゃん、モーシュ
マサーダ要塞のレプリカ
不毛の死海の絶壁の頂上で完全自給の都会生活が営まれていた。人間の叡智だ。