アイパオの話(その73)

今年に入っても相変わらずバタバタです。1月の米国CES出展はその極み2月にはNHKさんの「サラメシ」でオモロい爺さんを演じたので視聴者の対応に追われ生まれて初めて「時の人」の気分を味わいました。中洲の発明も会社経営能力も内実すこぶる怪しいモノで3月に入り「身仕舞い」を実行に移すことにしました。社長退任と社内改革です。

一方で4月から昨年お話ししました北海道は石狩市での大規模なアイパオプロジェクトがいよいよ開始されたのです。石狩湾沿いのなだらかな丘陵1万坪、ここにアイパオを200棟建設するのです。

一方で「本業を傾かせる新事業はやっちゃいかんぞ」との例の妖精の囁きが聞こえます。「今なら手が引ける」と5月の連休独り会社で思案のフリをして過ごしました。「如何せん」と。

商品開発も新規事業挑戦もそして会社経営も要は売れてナンボ、黒字かどうかです。じゃあ確実に儲かる方法を考えればいい。即ち会社の蓄えを減らさずに湯水の如く開発資金を投入する方法はないものか?

暫くしたら「アイパオを雪の中でデッカい雪だるまにしたらどうだろう」札幌の素浪人Nさんの話を思い出しました。それでググったら下の写真に出くわしたのです。長野の「かまくら」村の賑わいでした。

先週石狩の「ぎょぎょランド石狩」の開発現場に飛んでまいりました。撤退じゃなく目下のレジャーランド開発の延期要請です。

昨年出会って邯鄲相照らす仲となった薩摩隼人のSさんは開発資金など頓着なくどんどん石狩プロジェクトを進めております。

この1万坪。最低でも1億まあ2億円もかければ景観は良くなりそうしたらランドは成功するかも知れんがそんな資金はルミカは出せません。そこで昨晩ススキのの「イクラ御殿」でSさんに中洲士郎の秘策を授けたのです。しかし一升近く飲んで酩酊のSさん、メモを取りながら捻るばかり。

昨晩の記憶が飛んだSさん、デッキの上の3棟のアイパオに自信満々でした。BBQハウス、サウナ風呂、居住用グランパオです。モデルハウスですから当然ジャンジャン注文を取るつもりだったのでしょう。しかし中洲は「そりゃ絶対イカ~ん」と。

今年は11月までに30個のデッキハウス90棟のアイパオを建設。それと200台の駐車場の整地です。今は汚い荒地も雪に覆われれば別世界に変身します。

冬が来る前に営業開始。BBQハウスは2時間5000円、酒食材は持ち込み。サウナは12時間2000円、グランパオは1棟貸しで一泊15000円。雪が積もれば裏手は初級スキー場に、スノーモービルも走り眼下の石狩湾は夕陽の絶景、夜は星が湾に注ぎ、竿を持って歩いて降りた堤防は釣りのメッカです。人が寄り付かないわけがない。お客様をどうやって感動させるかです。その経営なら次女のゆきかだ。彼女はこの5年間山梨の白州で子供2人と開拓者をやっている。彼女を口説きに行こう。

ぎょぎょランドではiPAOはルミカの所有として年間20%の高利リース、それでも費用負担は年30万円。売上は一棟あたり300500万円。稼いだ金は春、雪が溶けたらSさん気兼ねなく全部使ってクラインガルテンを造成しそこに冬場活躍したiPAOをユンボで運んで設置するのです。

日本国中に広がる耕作放棄地50万ヘクタール。農家は年間10万円で貸してくれるはず。ミソはルミカがアイパオをリースして起業者は初期投資を限りなくゼロにして業務に専念できることです。

この話に中洲士郎ひとり悦に入っておりますが今のところ称賛の声など一つも沸きませんです。悔しいから誰も読まないこのブログに50年先ひ孫が自慢するように記録します。「今や世界を変えたぎょぎょランドその昔一世風靡したぎょぎょライト同様中洲爺さんがこさえたんよ」と。

アイパオの話(その72)

人は皆夢を見ます。そして少しだけ動いてみます。しかし実現に向けて実行となると何がしかの常識が働いて無理を慎むものです。ところが会社のトップとなると幾多の失敗にも懲りず結局、何やかや理屈をつけて実行してしまいます。周りに溜息を残して。

そんな失敗ばかりの中洲士郎、止せばいいのに赤字続きで役員達に閉鎖を迫られた米国子会社を救済するとの名目で2023年の米国CES見本市出展をぶち上げたのが昨年夏。

そこらの見本市とは訳が違う世界最大のショーです。どうせ出展を断わられると思っていたらコロナ禍のせいか主催者からOKが出て泡を食いました。コロナワクチン接種を逃げていたので米国入国は無理で渡航を断念するしかない。だが責任は言い出しっぺの中洲にあるから矢張り行かなきゃ格好つかない。そこで無理して急速2回接種で接種証明が出たのが12月27日。馬鹿高い航空運賃で1月3日仲間達と離れて爺さんは孤独の旅に。いやあ酷かった。航空事情悪くラスベガス空港に到着したのは福岡出て50時間後でした。

オノデラ君編集。照れ臭いが敢えて掲載しますね

手ぶらで帰ろうモノなら社内の侮蔑の眼差しの中、確実に欧米での企業活動はお終いになる。「どうせルミカは零細小企業、所詮世界を狙える会社なんかじゃないってことか」となる。

それにしても現地で見る日本企業の元気のなさ、それに対して韓国ビジネスマンの活発なこと。しかしTecWest会場で俯瞰するところ目新しいもの何もない。人目を引くのは精々韓国企業の刺青プリンター位。こんなモノに入場料400ドル払って誰が見に来るものかと悲観するが他の見本市との一番の違いは来場者の殆どがCEOだと言うことです。即ちその場で決断できる相手なのです。

我がブースではiPAOを2棟建てて最長11.5mのBiRodをそびえさせて人目を引いている。初日、来客少ないのでイシバシ君には、いい男が通りかかったらブースに引っ張り込め、俺が料理するからと伝えました。しかし彼女、斜め前のブースの若者が超イケメンで気になる様子。収穫少なかった初日の終礼、皆50ドルの昼飯の不味いサンドイッチに文句付ける。その中でルミカインドネシア社長の韓国人の姜さんだけ「3日目が勝負よ!」と1人気勢を上げる。それもその筈今日は韓国からは釜山市やウルサン市の市長等大物が続々ブースにやって来ました。矢張り韓国人同士だから諸々の悩みを共有できるのでしょう。

2日目少し大きな引き合いがアイパオとアイロッドに出ました。そして3日目奇跡が起こります。ミネソタからやって来たと言うアイスフィッシング場のオーナーが奇跡の震源です。ブースのアイパオと室内で放映中のオノデラ制作札幌茨戸川ワカサギ釣りのビデオを見て(驚愕してか)呆れて大笑い。先々続く数千棟のアイパオビジネスが舞い込んだのです。数十億円ですぞ。カナダや欧州でもアイスフィッシング関係者が同様にオッファーを出します。一様に「これぞイノベーション、氷の上で何十年も凍っていたがこんな発想は遂に浮かばなかった」と。

ミネソタでのアイスフィッシング大会の様子です

勿論本件受注のお陰で皆がいっぺんに疲れを吹き飛ばし意気揚々と会場を後にしました。だが帰途の中洲士郎またしても難儀に。韓国入国の電子査証と日本入国のPCR検査不備で数十時間の一人旅でした。

さあこれで米国ルミカ再建だ。何事もやってみるもんだねえ。

そんなビジネスも面白いが矢張り男女の切ない話の方が・・・。

4年ぶりに韓国に入って永宣さんと韓食を漁色(?)しました。韓国大邱の実家で在宅勤務中のルミカ東京支店のP嬢も久しぶりに外の仕事に参加です。CESで約束したソウルの衛星都市城南市の起業家李氏を訪ねる道すがらでした。P嬢、車窓を過ぎる景色を見つめながら呟きます。

「何て偶然、ここは昔彼の街です。何度か来ましたよ。彼とは大邱でお付き合いしてて彼の転勤で遠距離交際に。次第に疎遠になって別れました」「だったら一寸だけでも電話してみたら?」「フラれたの私。私にも少しはプライドあるから電話しない!」多分彼の方も彼女を想っているだろうに。時には彼女に「どうしてる?」位声をかけてくれればいいのにね。年寄りの要らんお節介の中永宣さん運転のKIAはP嬢の昔彼の街を通り過ぎて行きました。

今日も年寄りの長い独り言に付き合って頂いて有難うございました。

アイパオの話(その71)

もう直ぐケミホタルがデビューして44年目になります。残念ながらケミホタル以降本当に画期的な新商品は開発できていないようです。

何かで読んだけど画期的新製品を定義するとすればそれはそれまでの人々の生活や習慣を一変させるもの、即ちイノベーションを起こすものだとありました。確かに身近な所ではアイフォンやアイパッドやウオークマンがそうでしょう。小ぶりですがケミホタルもそれまでの魚釣りの世界を一変させた点で確かに画期的でした。ライバルになってしまったミヤコ君のキンブレもコンサートライトに少しイノベーションを起こしました。

「夢よもう一度です。世界的ヒット商品を産みたい。それも組織開発の意表を突いて」今回はサウナパオとBBQパオでそれに挑戦しました。

10月12日からの3日間場所は千葉の幕張メッセ、ガーデン&アウトドアエキスポです。確かにサウナがブームだと言っても巷にサウナ小屋は無数にあります。果たしてそのサウナ小屋にイノベーションの余地は有るのだろうか。何か革新を阻害している要因があってそれを壊すのもひとつのイノベーションにならないか?そんな期待を込めての出展でした。

従来品の目的も形も大きくは変わらないのにもしもそれが強烈に人々の心に焼き付き直ぐにでも購入したい衝動を巻き起こすならしめたものです。

そしてその結果は?今回のサウナパオにはあのケミホタルの強烈な引きがあったのです。

あくまで結果論ですよ。長い間ログハウスは北欧やカナダのサプライヤーとその国の政策主導で市場が形成されていました。勿論そのヴェールが消費者の憧れを形成していますが開発者、挑戦者がリングに上がれませんからイノベーションが起こりません。そこに目を付けた日本のルミカが日本でログハウスキットの開発製造をおっ始めたのです。そして肝心の北欧の真っ白の高価な板材をどうやって調達するか???(開発には必ずそんな課題が生じます)

そのログハウスは12角形の筒型でその天井がオープンテラスになってるだけです。しかし誰もそんなログハウスや野外サウナ風呂をこさえたことがないし見たことがないのです。

人は「そうか。こんなサウナ小屋今まで気付かなかったな~」と思うと無性に愛着を持ってくれるようです。「自分も釣りをしていて、浮きの頭が光る単純なモノを夢想していたが・・・これがそ~だ!」とケミホタルに飛びついてくれたように。薪ストーブの薪を止めればサウナが暖かい居間に変身すると誰もが発想を膨らませました。だから直ぐにでも欲しいと。

「う~んやっぱり素人にしか考え付かんな」との声も。

商品開発は本当に面白い遊びです。

アイパオの話(その70)

とんでもない夏が終わろうとしている。

中洲起業して43年、思いつきのチャレンジに家族も会社も皆が振り回される。どう見ても愚行としかいえない「殿。ご乱心」型も多い。福島の上岡化学買収劇がその最たるもの。その致命的愚行が東日本大震災と東電補償で奇跡的リカバー。その無鉄砲起業から43年間、そろそろ終活の時を迎えての新規アイパオ事業ではさすがの中洲士郎にも「諦める」という単語が今夏の猛暑の中20棟のアイパオ施工で頭をよぎった。

売上になったのは先ず

石川県の小松市で2棟。HISの野心的なペット同伴ホテルの和風囲炉裏パオ(アイパオの話その69)

次に博多の怪人の要請で宗像のグローバルアリーナに5棟のアイパオ

グローバルアリーナ5棟のうちの1棟
同じく
同じく
同じく

更に小松で大好評に付き5棟の追加受注を受けました。

BBQだって家族とペットと一緒になって楽しんでいる。

これらに売上にならない「中洲千年夜市」や社内の試作パオが8棟もある。

中洲千年夜市で人気を博しました

だが新規事業として収益が上がる見通しは暗い。熱中症の中、算段するが年間1000棟建てても僅か10億円の売り上げしかない。それだってどうやって毎日3棟の資材を加工して現地で建てるのか。抜き差しならない状態が見えて来る。

戦争ならどう考えても勝算なき戦の太平洋戦争みたいなものだ。いかに早く撤退するかだ。

断念するにしても既に仲間が出来ている。取り敢えず来年100棟やって1億円の売り上げを上げよう。それから撤退を考えようと相棒3人で9月15日札幌に飛んだ。

ここは石狩市厚田区シップ。鹿児島を出立して30年この地で宅地開発で夢を追う園田さんと意気投合してしまった。徐々に増やして来た石狩湾を見晴らす彼の原野は100町歩に。電気水道下水をを自ら整備して別荘地分譲を行なっている。札幌の風雲児佐藤さんが永年惚れ込んだ夢追い人だ。一日彼と現地を探訪し、すすきのの「炙りや」で北の酒と肴を前に計画が躍る。

石狩湾を見晴らせる丘に電気水道下水道を備えた50坪の庭にログパオを建てて300万円で分譲するのです。来年は50棟の分譲、直ぐにモデルハウスを建てることに。

ここにアイパオをコンテナで送り込めばあとは園田さんがやってくれる

札幌の市街地から車で1時間の距離だからどの物件も転売の足が早いと。それに香港台湾中国豪州の個人客の熱い視線がある。しかし中洲の狙いは年収500万円位の若者達だ。

彼らに問いたい。「君は家族と夢を追うか?それとも、かけがえのない自然の生活を諦めてマンションの一室で年老いて涙するか?」

この危険な事業の向こうに感動が待っている。心配もある。台風でアイパオが吹き飛ばされたらどうする?

人類は木から降りて地面に住むようになってずっと家族を守る為に家と格闘して来たのに。

毎週末、石狩湾の小高い丘にセカンドハウスがあって畑を耕し鶏も飼える生活。子供達と海に沈む夕陽を眺める。台風が来る時は精一杯補強して我が家を守る。それを実現するのがアイパオプロジェクト。それを諦めるか?

万一台風で小屋が崩壊して人はiPAOを責めるだろうか?怒って直ぐに転売してしまうだろうか?

米国に進出して「リトルハウス」として売り出せば10万棟だって可能だ。売上は1000億円。テスラへの道が開けてくるかも知れない。当分悩みが続きそうです。

アイパオの話(その69)

夜思う。本当に何が幸せかって。飢える心配のないことか。「飢えたことない人には分かるものか」とも聞く。容貌がいい、頭がいい、歌がうまい、スポーツできる。そこらで秀でている人の幸せ感ってきっと奥が深いだろう。生憎中洲士郎はそのどれも持ち合わせていない。だからせめて毎日の仕事で改善と開発力だけでも比較優位でないと立場がない。

コロナ始まってもうすぐ3年、中国にも行けないので四六時中商品開発に明け暮れている。それにボケ防止のための漢文暗記だ。そろそろ身仕舞いの黄昏時になってこれがちっとも苦にならない。それどころか生まれて初めて面白くなって来た。

現在従事する開発を分野に分けると建築のアイパオ、食品のフードスプレー、健康の二酸化塩素、ロボットのアイロッド、雑貨ではエアブラシ他。その各々の分野に沢山のジャンルがくっ付く。

中でもiPAOは建築だから新規開発が無限に広がる。厄介なのはちょっと試作というわけにはいかないことだ。聞いたところでは国内に建築会社は48万社あって無数の人が従事している。誰もが開発で一発当てようと狙っている。その中でど素人の中洲一派に画期的な家の発明が出来るか? 仲間たちの猛暑との格闘を見ると「ヤバいゾ、迷路に迷い込んだんじゃないか」と時折不安が頭をもたげる。しかし仲間たちと新たな課題が解決すると又新しアイパオに挑戦したくなる毎日。

石川県小松市で旅行業のHISが新規に取り組むペット同伴グランハイド事業で2棟のロググランパオが大好評を得ている。続いて5棟に取り掛かる。先ずはその動画見て欲しい。

オノデラ氏作動画です。

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アイパオの話(その68)

夢を追う

ずっと昔安サラリーマンのあの頃。週末は4ナンバーのライトバンに家族5人で柴犬の「マット」を連れて旅に出たものだ。財布が乏しいので宿泊は狭い車の中。それでも楽しかった。いつも思ったのは「郊外の農園に家族で楽しめる小さな住まいがあるとどんなに良いだろう」って。

仕事で何度かフィンランドに行く。夏のヘルシンキ。週末になるとサラリーマンは一斉にマイカーで北を目指す(社長は残って仕事)。誰もが森の中、湖のほとりにサウナ付きの小屋を持っていてウキウキ飛び込むのです。白夜でした。男が小屋の屋根に座ってピンクに染まる湖面を見入っています。日本にもそんな生活あれば良いな。だけど日本のその景色に建つ家は想像できないがきっと素敵な小屋に違いない。

夢が形に

由布岳の麓、塚原の里にドーム小屋を作り始めていつの間にか15年経ってしまった。東日本と熊本大震災の復旧に馳せ参じたものの結果得られず。3年前、中国北京での防災展で新型アイパオ(PVCの骨組にポリカーボのパネルを装った)がデビュー、話題となって中国国営CNNテレビにも出演したが・・・。未だ売れる代物じゃない。2021年瀬戸内国立公園赤穂市の海辺に2棟のアイパオが立ち上がってようやく事業の産声が上がる。これにフィンランドから取り寄せたログ材を組み込んで初めて夢の正体を見つけました。

形をビジネスに

いい女性に出逢うと男は誰しも胸が熱くなるもの。だが爽やかな好男子それも静かで渋い笑顔の実業家となると男でも胸がドキドキする。そんな男がいた。故宗政伸一サニックス創業者が遺した宗像市のグローバルアリーナに彼はいた。彼に呼ばれてアリーナに沢山のアイパオを建てる説明を受ける。何とその費用は全てあの博多の怪人がポケットマネーで払うと言う。アリーナからの帰途その怪人からのメール。

「決して値引きするんじゃない、その代わりに良い仕事をしろ」と。企業家たちは凄い。中洲士郎未だ黙鶏たりえずせわしき事チャボの如し。

コムロデザインのThe Smoker。喫煙者天国の小型アイパオ。「喫煙者肩身が狭いからねえ」と。
アリーナに出現するかもしれません。

皆さまどうぞアイパオのデビュー応援してやって下さい。

二酸化塩素ストア頑張ってます。少しだけ世間のお役に立っているようです。

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アイパオの話(その67)

4月は日本中が桜さくら。そして多くの若人が新しく社会に出ます。中洲の会社でも新入社員の歓迎会と研修会、そしてトドメが恒例の久住「坊ガツル登山」です。今年は昼飯抜きでジムに通った効果が出て難所「すがもり越」を踏破しました。78歳未だ元気です。

ところで近頃の世の中の不条理、一体どういうことでしょう。コロナのドサクサに政治と医療と企業の癒着と拝金主義、次世代への莫大な借金のツケ。そしてウクライナでは世界の注視の中での残虐行為。現世の大人は一体どうやって子供たちに次の時代を託すのでしょう。

皆様、こんな時こそ商品開発で気分転換ですぞ。本当は若人に戻ってヴェルレーヌの恋の詩に浸りたいが今はダメ。ヒット商品出なけりゃ会社は危ういのです。

前回皆様に100坪分譲建売農園200万円プランを自慢げに明かしました。しかしネットを検索すると中洲の独創などかけらもない事が明らかです。誰もが農業ビジネスに目を付け中洲に似たアイデアを探り当てているので少しガックリしました。ケミホタル開発でもそうでしたが同じ時に同じことを世界中できっと200人が考えているのですね。

だったらそれがどうして世に実現しないのか?今回は登山研修7名で泊まったレゾネイド久住の高級ホテルのベッドの中、相部屋だから燈を灯さずにアイパッドをググって思案しました。

日本にイノベーションが起こらないのは矢張り霞ヶ関の諸規制が原因です。各省庁は一様にイノベーションを抑えて既得権益が侵されないことに専念しております。農林水産省では農地の使用をがんじがらめに縛っておりました。極め付きはお情けで認めた貸し農園にも恥ずかしい規制の数々。「貸し農園の賃貸は認めるが同一人物が5年以上同じ土地を使用しない、出来た作物は売ってはいけない」と。

「食料品の輸入がストップしたら大変。37%の食糧自給率を何とか上げろ!」とぬかしながらですよ。

年老いた農民はもはや鍬が握れない。代わりに若者達が農業に活路を見出そう、都会を出て農園で子供たちを育てたいと願ってもハナから無理ですね。

そうなると例によって私生児魂が頭をもたげます。「規制には何か抜け穴あるはず。二酸化塩素ではやられたが今度は病気相手じゃないから戦いやすい。世界に類のない圧倒的に素晴らしいファーム開発プラン出せば勝つ筈だ」と。

はてさて難題が解けません。悶々として夜を過ごしました。

10㎡(6畳)の狭いログパオにどうやって風呂とトイレを置くかがその問題です。風呂についてはカズキ君が中洲の棺桶を思わせる風呂桶をこさえました。収納庫兼食台兼ベッドで辛うじて合格。だがトイレだけはどうやっても得心が行かないのです。いくら狭くても豪華TOTOウオッシュレットを置きたい、しかし問題は浄化槽です。ウンチを焼く、バイオで分解、SAPで固める、穴を2箇所掘って交互に土を埋める等等。これらを牛のように反芻しても決め手を欠きます。

「思考が行き詰まったらターゲットを変えてみること」いつしかそんな癖がつきました。

建築基準法逃れで部屋が狭いからやっぱり二階だな。だったらロフトだ。50mm厚のログ材をボルトで繋いでロフトを作ろう。これまでPVCの素材ではどうやってもロフトは無理だった。だが今回は丈夫な北欧ログ材で頑強な木製ロフトが作れる。しかも小屋の側壁がログだから耐えられる。ロフトには丈夫な手摺と梯子をこさえよう。屋根裏の隠れ家が一番好きな子供たちの様子を空想していた・・その時妙案が・・・。

TOTOトイレを二階に置いてトイレに浄化槽を直接繋ぐのだ!大口径塩ビパイプを4回折り曲げて中を浄化槽に細工する。ここはオーノ君の出番、浄化はオールド君が鯉の水槽で実証済みじゃないか。

フィンランドの山小屋ではトイレなら落とし込みが常識だが日本の役人がそれを了承するはずがない。勿論世界一快適なTOTOトイレに飼い慣らされた日本のユーザーも必ずNGを出す。しかしこのパオトイレを見ればお役人も最早NOと言えず自分も一軒欲しくなる筈だ。

これを来年1月ラスベガスでのCEショーに出して世界の投資家の目を惹きつけよう。「テスラを追うiPAO」とかホラ吹いて。

そう。今日4月10日は母親中洲若子の誕生日。生きていてくれたら96歳でした。

パーティで仲間に振舞おうとカズキが喜んで仕事サボって釣ってきたキジハタ
アイパオ野菜工場で玉ねぎ植えたら0.4㎡でこんなに沢山、パーティの食材に
開発館横の非社有地で歓迎パーティ
老婆(ラオポ)の秘伝のタレのカツ重が進化を遂げて好評でした
坊ガツル登山研修、スガモリ越です。
魚植共生館でザリガニ釣に興じる新人。

ログのスカートを穿いて砂パオも進化しております。

アイパオの話(その65)

ふ~っと「一体何のために仕事しとるんやろう、何のために生きとるのかな」などと呻吟の真似していたら簡単に「ああ、人生はそういうことか」と感じさせられた1月29日からの1週間の旅でした。

前回甚だ自慢げにお知らせしたのが札幌の茨戸川ワカサギ釣り小屋ヤロー。それを2月2日NHK実況中継が予定される中、記録的な大雪でパオが浸水。それで札幌で凍え死んでの補修作業に続いて右膝がコクコクしながらの名古屋と海老名出張行です。

指揮官は難事に臨んでは決断する役目があります。川に浸かった小屋を発泡板で浮上させるかバラして再度組み上げるかにボンクラ指揮官は迷いました。NHKの生中継迫る中、奇策のパオ浮上作戦を敢行(その場は取り繕いましたがそれも2月7日の記録的大雪で再度浸水の憂き目に。結局作戦ミスでした)

床の氷にハンマー振うイシバシ嬢

くたびれ果てて右膝ままならぬ状態で名古屋の老医師のもとへ。蔓延するオミクロンから病院の看護師さん達を守ろうとの目的でソリューションでのウガイ実施を提案しておりました。今回その情況の検証です。それがいきなり年配の婦長さんの憎悪に満ちた眼差しの出迎えを受け更に「アタシね忙しいんですよ。あなた~、マスクが下がっているじゃないですか」の悪態に中洲たじろぐばかりで言葉が出ません。

それでかなり落ち込んでの最終目的地海老名入りでした。それがタクシー降りるなりまん丸い体躯と満面の笑顔のご婦人、それに4名の青年が丁寧なお出迎えです。「岡惚れしたアイパオの話がしたい、開発した社長に会いたかった」との熱烈求愛でしたから中洲、膝の痛みも忘れてヤニサガッテおります。

お相手様の事業は学童保育と街おこしという崇高な使命に燃えるNPOでした。そして例によって中洲節が炸裂。危うくご婦人を抱きしめて弾き飛ばされそうな夢談義でした。

海老名市のシャッター商店街、ブラブラだけの年寄りたち、放課後行く宛のない共働き夫婦の学童たちの町。と言っても静かな陽だまりに佇む平和な日本の片隅の光景です。

そこにボラティアの大学生達と図り市政と企業を動かして街おこしをしようとの使命に燃えるご婦人がアイパオに目を付けました。子供たちの為に「寄り道パオ」を建てようと企画されたわけですよ。

「よーしそれじゃあここにキャンパオ水族館、魚とザリガニもウジャウジャ入れて子供達にザリガニ釣りをさせよう。騒ぎに年寄りたちが仲間入りにやって来る。相鉄バス寄贈の「寄り道バス」の横にはコロナ療養パオ、アフターコロナではこれが学童保育児の自習室に。兄ちゃん達とスマホゲームに興じ、婆ちゃんがそこでボタモチを作ってくれる。

シャッター閉じた店主、ならば自分の店にもアイパオ建てよう。もう一度美味しい漬物の店を開けようと奮い立つ。

結局子供達が日本の沈滞を救うかもしれないな。

ヒラタ君専用の工作室をアイパオ事業室に使うことになりました。そこで追い出されたヒラタ君用にと倉庫に海老名仕様のログパオをこさえました。

そしたらネット通販チーム3人が不公平だ自分達も欲しいと。「やれやれ。一棟で勘弁してよ」と。そもそも領域侵犯の建築などに手を出して「パオと共に会社は去りぬ」ではサマになりませんです。はい。

アイパオの話(その64)

数少ない読者の皆様どうぞ今年も中洲の下手な作文にお付き合い願います。

先ずは「我ら穀潰し軍団」改め「年取っても青年タイ」の北国侵攻の様子が今年の第一報です。それはお屠蘇気分が抜けない正月5日に始まりました。

8、9、10の3連休に一年中で一番楽しみのスキーツアーを画策していたコムロチームに中洲士郎悪魔の呼びかけ。社内で誰もが認める一級アーティストのオノデラと企画のマオ、この2人はスキー諦めて中洲の札幌プランを手伝えと。コムロチーム内に激震が走ったようです。

どうぞ次のYouTube でオノデラの作品見てください。

ついでに昨年のナカスジ君の動画も

この一年でワカサギアイパオはここまで進化しました。そしていよいよ中洲イカサマ節の出番です。

見よ日本の若者たちを。

世界のスポーツ界、芸術芸能界、文学アニメ界に堂々冠する勇姿を。それに引き換え政治と行政と企業はバブル弾けての30年、コロナパンデミックの2年間、手も足も出せないでいる。この間に世界市場はGAFAとテスラに蹂躙されて日本企業群はもはや諦めの体をなしているではないか。

原因は簡単、腑抜けの社長族が悪い。社員の尻を叩いて他社の真似してでも直ぐに成果を上げろと喚き、役人と組んでは規制を利して既得権に胡座をかく。もう少し日本の若者たちの真摯な努力に見習うべきではないか。

時価総額1兆ドルのテスラを見よ。

ついこの前まで中洲同様のスカンピンだった。小銭を作りリチウム電池の電気自動車を手作りした。当時車載用リチウム電池が無かったから東芝ダイナブックの廃品電池を大量に組み込んで動くことを示した。それで市場から金を集めて瞬く間に世界一になった。しかし電気自動車もパソコンの軌跡を辿って10年後テスラの姿はないかもしれない。とにかく世界は激しく変化を続ける。

世の成功者の軌跡を自らに取り入れればこれから20年で日本は産業界にもスポーツ界のような輝きを取り戻す筈だ。

だから「明日のテスラ・アイパオに乞うご期待」淡雪のように直ぐ消え去る夢であっても。

アイパオの話(その63)

ひ孫に残す新製品(その9)

ログ調アイパオ

2010年4月にアイパッドが発売されて以来アイパッド漬けの毎日です。こ気味いいのがスクリーンショット。パソコンと異なりスパッと記憶に飛び込む感じが好きです。

自慢に聞こえたら御免なさい。毎日新たに目についたものはアイパッド操作よろしく頭にスクリーンを飛ばしておきます。夜中布団の中、幸い隣には誰もいませんのでそのスクリーンショットを牛のようにもぐもぐ反芻します。すると面白い(ロクでもない?)アイデアが湧き出て来るのです。

1週間ほど前のことです。倉庫を改装してアイパオ生産と試作とネット通販用に冷暖房を効かせた部屋をこさえる為フィンランドからログ材を取り寄せました。そのスプルースの無垢材厚み50mmがスクリーンショットに入ったのです。

これだけの厚みがあれば6Φの通しボルトが通せる筈だから3本通せば頑丈な甲板ができるだろう。アイパオの床は勿論、キャンプ用テントの床板にも最適に違いない。

普通ログハウスというのは側壁にログ材を積み上げてダボ(繋ぎの丸棒)と上からの通しボルトで締め付けます。しかし床板を通しボルトで締め付けるのは意外と新発見かも知れないのです。

翌朝ヤングナカムラに秘密をバラして取り掛かりました。スクリーンショットの反芻で生まれたアイデアが上手い具合に形になったのです。今後は全てのアイパオの床がPVCから北欧の床板に変わるでしょう。

床板が気に入った仲間たち皆大事な予定を放り投げてログ調グランパオに取り掛かりその日のうちに一気に完成させました。

ここで仲間達とオールドナカムラの焼いたピザをツマミに冷えたビールを飲むのです
ログ調アイパオの5枚のソーラーパネルで100W発電中
左から最新のログパオ、魚植共生パオ、砂パオ、トマトの木パオです

この頑丈な甲板2枚にこれも丈夫なゴム浮き輪を挟んでアイパオを水上に浮かせるのです。悠々と水上生活をしている景色が頭をよぎります。早いうちに一緒に挑戦しませんか?