アイパオの話(その59)

今日も楽しい話。ルミカでは我々自称ゴクツブシ軍団が住む開発館と駐車場をはさんで本館がある。その3階を実効支配しているのがオールドギャル軍団だ。彼らにとって野菜の価値基準は食えるか安いかだけのようで野菜をどうやって作るかなどには関心がない。まして野菜舟なんか杭にかかったゴミかと、元気印の水軍カボチャは鬱陶しい雑草と勘違いする連中だ。

3日前のこと、形だけの朝の省エネ体操が終わって例の「両足がついた変なナスビ」を彼女達に渡したのです。するとTVにかしましいギャル言葉「キャー可愛い~」の連発と単細胞騒ぎ。(陰口叩くけどその娘達にツンデレだからこの親爺のお脳も知れているのです) その軍団の一人で机の上いっぱいのキャラクターに囲まれて仕事をしているKさんから昨日ショートメールが届きました。面白い写真だから皆さんに紹介します。嫌なマスク取って笑って下さい。

マスクしたモグラかい?  改めてナスビで御座います

アイパオの話(その58)

今日は楽しいお話、野菜船の近況報告です。

カボチャがねえ。船ではご飯が足りないと野菜船の外の茎から根を吹き出して2匹の鯉の排泄物を取り込もうとその白い根を1m程もプールに張り巡らしておりました。蔓は一日で30cm以上も伸びてもう直ぐグランパオを周回します。実が大きく重くなったらどうなるのでしょう。ナスビも頑張ってます。このナスビ可愛いでしょう。前足が付いてて顔は猫みたいです。

ひ孫に自慢する新製品

(その5)周遊型魚植共生アイパオ

写真でご覧のようにグランパオプールにプラダンの箱を浮かべて野菜が育つことが分かりました。そして船の外でカボチャの新しい根っこが鯉からの栄養分を吸い取って凄まじい成長です。これを目にしていよいよ本物の魚植共生に挑戦することに。仕掛けはこんな具合。ドーナツ状の水槽に12個の改良型船、名付けて魚植共生船が塩ビパイプでつながれ液肥と水槽の汚れた水が11艘の魚植共生船内を循環します。水質のコントロールは一艘だけですから管理も大変楽になります。強い水流のドーナツ型水槽で魚達は毎日がオリンピックですね。

一足先に2匹の野鯉がグランパオプールから転居を終えました。「連環の計」の材料ももう直ぐ届くので今週末には回転魚植共生アイパオの完成です。ヒメノさんのトマトに今度は勝ちたいものだ。「なあひ孫よ、社内では中洲以外でこの世紀の一瞬を待ちわびる輩は誰~れもいなかったね」

完成間近の周遊型魚植共生アイパオです。
一日に30cmも伸びるカボチャとルール違反の根っこ
羨ましいヒメノさんの見事なトマト

アイパオの話(その57)

ひ孫に自慢する新製品

(その4)秘伝のタレのカツ重

この前の日曜日次女と孫を連れて由布農園に行く途中久しぶりに「鰻のせいろ蒸し」の贅沢をすることに。

中洲は鰻なら柳川の本吉屋か若松屋に限ると頑として浮気しない方針だった。ところが老婆(ラオポ)が途中、次女の携帯に指示「久留米の大善寺の富松が安くて美味いそこに行け」と。

グルメ中洲の評点は柳川の方が鰻がふっくらしてそれに喉越しの甘味が微妙に違う。ただその差500円が妥当かと言えば微妙なところだ。しかし富松でも「秘伝のタレ」を柳川同様売り物にしてコロナなんかどこ吹く風と大賑わいだ。ザッと見積もっても100名5回転で年3億円の売り上げは固そう。

その昔から農村の一画に宿場町が栄え一膳の飯に数回分の金を奮発して庶民が浮世を楽しんできたのだろう。日頃ケチの中洲もその一人で美味い「鰻のせいろ蒸し」にはだらしなく懐が緩んでしまう。

「う~む。ヤッパリ飯屋だ。秘伝のタレだ」せいろ蒸しを食べながら閃き傍らの次女に持ちかけた。「今度会社の将来を考え平均年齢65歳・ゴクツブシ軍団を引き連れ由布農園でグランピングビジネスの新会社・ぎょぎょランドを創業しようと思う。そこの目玉に秘伝の味を出したい。うちの婆さんのあの秘伝の味のカツ重はどうだろう」と。

そりゃ美味い。今年の4月新入社員の由布院研修で皆に「秘伝カツ重」を振る舞ったが誰もが驚嘆の声を出す。その前夜老婆(ラオポ)がぶすくさ文句垂れながら夜中まで仕込んで2Lのペットボトルに詰めて翌朝中洲に手渡したのが「秘伝のタレ」「これはねえ45年前川崎の元住吉に住んでいた時ウチの前の太郎のおばさん(飼い犬の名前が太郎か?)に絶対に口外しない約束で教えて貰った秘伝のタレよ」と初めて打ち明けられた。

由布農園で新人研修会。手前に見えるのが秘伝のタレのカツ重

次女にその秘伝の由来を声をひそめて聞かせたら「何言ってるの、私もしょっちゅう作って食べてるよ。母さん炊事場に段ボールの裏にそのレシピを書いて貼ってたじゃん」ヤバい。「今後は絶対口外してはならん。婆さんだけしか知らない秘伝のタレのカツ重として売り出すからな」

鰻より美味く値段も安くすりゃきっと由布農園に行列が出来て老兵たちの懐も少しは暖かくなろう。だがこの話の前途は少し危ぶまれるので一応、ひ孫に「今にときめく名物料理の由来」として書き残しておこう。

裸のウイルスの話(その26)

ひ孫に自慢する新製品(その3)

バブクロ2 濃縮純粋二酸化塩素水ドライ燻蒸機

生きている間に何とかあのヒトの気を引きたいと思うように二酸化塩素にそんな片想いを寄せて一年半が過ぎております。

外科医兼製薬会社社長のS氏が類稀な商才で「空間除菌」商材を世に広めました。国内での感染拡大防止に貢献しておりますが粗悪模造品の乱入で風評芳しからず市場崩壊に直面しております。中洲の会社も大きな痛手を受けての5月11日の鳩首会談でした。

先駆者が市場を保持するにはユーザーから拍手喝采を受ける新製品を継続して出すことです。しかし効果が明白でない手探りの開発の難儀なこと。その苦闘の一年半の日々からやっと生まれたのが高濃度純粋二酸化塩素水でした。さすが目利きのS先生、悠然と「きっとこれで5年後には世の医者も薬も半分不要になるよ」と。「然し先生。今何とかヒットして貰わんと。工場の娘達、残業無くなり収入が減って会社辞め始めたのよ」中洲が泣きついたのが5月の会議でした。

その時S先生の助言を得てからの40日間、中洲は自分で開発と試作に明け暮れました。人に頼まず自分で手を動かすと見えないものが見えて来ます。アルバイトのオールド中村が献身的に机と器材を整えてくれました。彼を穀潰し(ゴクツブシ)と呼ぶのを止めて「先生」と呼称を変えましたら良く働くこと。しかし「地獄の沙汰も金次第」って口癖に時間給増額の要求を繰り返します。

さてその試作品を携えて42日後プレゼンをT社大阪の本社会議室で行いました。

S先生が幾度となく医者の威厳をチラつかせて行政のトップから引き出した答えは「純粋二酸化塩素水は今後使える。だが直ぐに欲しいのはスマート燻蒸である」スマート燻蒸とは二酸化塩素以外水分も不純物も一切出さず10分間で部屋の隅々、机やゴミ箱の中にまで潜むウイルスや病原菌を殺しその5分後には二酸化塩素は雲散霧消して人の安全な入室を可能とする燻蒸装置であると。

3回試作を繰り返しました。そして又しても天下のへそ曲がり男イノウエの登壇です。顔を合わせるなり喧嘩「オマエには頼みたくないが止むを得ん。急ぐ。5日でこれをサマにしてくれ」

イノウエが5日間3Dプリンターを虐めて完成。左はバブクロ2プロ仕様で無線操作型。(上代1万円位)右は家庭用で住まいだけでなく犬小屋や風呂場やトイレなど狭い空間にも便利(上代5000円位)

結果は?6月22日中洲の名プレゼンにS先生ニヤリです。「100万円でも売れるな」「やめて下さい。20万円ですよ20万円。お客の反感買っちゃいけませんよ」

アイロッドが活躍。天井を二酸化塩素が這って10分後には部屋中が0.4〜0.6ppmピークに達するとコミヤセンサーが働きバブリングがストップ。15分後には0.03ppm以下に。この様子はヒメノ見逃サーズからスマホに転送されます。上段の様に手に持って病室やキャビンの燻蒸にも使えます。

3Dプリンター何台増設しても良いから今月中に100台プロトタイプが出荷できるようにとイノウエに今度は背を低くして懇願していますが・・・。

アイパオの話(その56)

ひ孫に自慢する新製品

(その2)水耕栽培アイパオ

さて今日は水耕栽培の話です。中洲のような妄想家なら必ずカブれるのがこの水耕栽培。中洲流イカサマ水耕栽培が20年経った頃ひ孫に自慢できるかも知れません。

1998年に由布岳の麓の荒地2000坪をインチキ業者に買わされて以来20数年、半分は岩と石ころで養分のない土に鍬をふるってつくづく感じるのは「農業ってのは割に合わん仕事」です。特に野菜なんか農家は雑草と戦って最後の収穫時が更に大変。洗って揃えて夜なべして僅かの代金貰った野菜が都会の店頭に並びます。しかし丹精込めたその野菜、一日経って少し傷めば生ゴミへの運命です。

店頭で野菜を水耕栽培して生きたまま主婦が収穫して買えばいいのに。そんな水耕栽培開発を西部劇のゴールドラッシュさながら一攫千金を夢見る連中に中洲も紛れております。そして毎週末にアイパオ農業開発が始まったのです。

マンハッタンのビルの屋上での水耕栽培や最近では西友が空き部屋で栽培したレタスをデパ地下で売ってるなどの話題が日経ビジネスのネタとなってます。アフターコロナの予感を読者に伝えようとの魂胆でしょうか。だが実社会ではiPhoneのようにセキを切って普及する気配がありません。理由は簡単、タカが100円の野菜作って売るのにLED照明や高額の設備に馬鹿げた投資です。アイパオを持っていない農業未経験の社長から命令されたサラリーマンに開発出来るネタじゃないのです。

国交省の邪魔の入らない10㎡で太陽光が燦々と入る風雨に強い清潔で美しいアイパオが20万円で市場に出て初めて農業革命が起きます。他にもヒメノ式ソーラー遠隔操作、コミヤ式センサー、ドガワ式自動運転それに中州式ボカシ液肥などの小道具も水耕栽培には不可欠です。現在のコスト60万円ではまだ話題作りですね。

以下妄想。ひ孫の時代にNYの市長が人気を得るためにマンハッタンの街頭に沢山のアイパオ野菜小屋を建てたそうな。その目的はニューヨークっ子達に新鮮な健康野菜を提供することと政治的に厄介なホームレスをその小屋の運営に充てて自立させることでした。金持ちホームレスの誕生です。この街角ニュースを知って日本政府が大金払ってそのコンテンツを日本に持ち込む話が持ち上がっているという話。如何でしょう。

街角なら写真の小さいサイズのキャンパオでしょうか。

グランパオだと結構大きいのです。しかも建築許可が要らない。

この野菜小屋では33段の棚があって一つの棚でレタスなら25個、合計800個のレタスが並びます。別の空き地のグランパオで栽培して逐次補充しますから一個100円なら一回8万円の売上うまくすれば月に200万円も夢じゃない。

これから起業するならアイパオ水耕栽培小屋ですよ。中洲は33歳の時、会社辞めてケミホタルなんてきわどい商売始めましたが。子供の学級預金まで使い込んだような危険犯す起業は今の若者には勧められません。中洲も先にこの野菜小屋の話知ってたら絶対これを選んでいました。

思い出したけど次女が小学校2年の頃の作文「ウチのお父さん」で「ウチのお父さんは何処かで働いていて時々蛍光灯(ケミホタルかブレスレットのことでした)を家に持って帰ります云々」だと。「美味しい野菜を持って帰ります」の方が家族団欒にはいいですね。

アイパオの話(その55)

久しぶりのブログ更新です。飲食や旅行業界同様コロナ禍でエンタメ市場も干し上がり会社の業績に赤信号が点滅するこの頃です。ここは何としても中洲の面子にかけて新製品をヒットさせなきゃ・・と。

それで都合よく来客も会議も少ない1週間のうち6日間は開発室、残る1日は由布農園での農作業、と新入社員のような規則正しい日々の一年半です。だが・・・一向に新製品がヒットしない。腕が鈍ったのか、元々開発の腕が無いのか?と自問しながら終いには「しゃ〜ない会社潰れても命を取られるわけじゃなし」と、開き直ることに。

それでもコロナの奴に一年半も縛りつけられると世界が違ったものに映って参ります。 「すべては子供たちの安全で楽しい明日のために」というスローガンが新人のオカモト君から生まれその蔓が伸びて「中洲の商品開発は時期尚早で現代人の目には止まらんから死後の楽しみよ。」とは中洲甚句。すると何となくですが打撃不振でも愉快になっております。

まあ期待の新製品が大ヒットしてればこんなキザな物言いしないんですが。

これから数回はそれら売れない新製品開発の近況報告です。それとひ孫の時代になってヒットしたら「これはお前のひい爺ちゃんの発明だぞ」と自慢できるようにこの中洲ブログに開発の顛末を残します。

さてそのひ孫に自慢する新製品

(その1 )野菜船

唱歌に出船があります。いい歌ですね。こちらは野菜船。気楽な農業です。ここは木が生い茂り畠も作れない海や川や池の辺り。そこの住人が細いロープを手繰り寄せるとたわわの「野菜の木」が小箱に生い茂っております。トマトやナスやレタスや南瓜それに可憐な花まで。みなもを渡る風と水温は野菜の生育に最適。野菜船を観察するとプラ段の蓋の発泡スチロール板から堅牢な野菜の幹、傍に見えるのはソーラーエアポンプと液肥注入チューブ、所有者の名札と細いロープだけ。液肥は子供が生ゴミや糞尿を発酵させて抽出した透明のアミノ酸です。隣の箱は魚の生けすでその排泄物が野菜船に循環するように子供が造作中です。この野菜船一艘は精々500円。

由布農園で週末農作業すると少し馬鹿馬鹿しくなります。散水もすき込む堆肥もその90%は地下に染み込んだり雨に流されてしまいます。だから丹精込めた今年の「島らっきょう」も足長美人に育ちません。じゃあそれらが無駄にならんように工夫したらいい。畑耕すのも難儀なことよ。そこで思いついたのが野菜船でした。

オールドナカムラが仕事サボって近くの川で釣ってきた2匹の大鯉が楽しく泳ぐ古賀の会社の駐車場のグランパオのプール。そこに間借りしている野菜船の写真をご覧ください。

会社の可愛い娘たちの名前を船名に掲げてますが彼らが世話にやって来る気配はありません。

ついでにヒメノさんが真面目に栽培している水耕栽培トマトのグランパオご覧ください。野菜船より1ヶ月先輩ですが見事な生育振りです。この次近くの保育園の園児たちが汽車ポッポロープに繋がって前の道を通ったらトマト狩りさせましょう。

次回は中洲流水耕栽培の話です。