アイパオの話(その42)

アイパオ開発の動機の一つは見本市のブース造作費。うちの大きな20小間なら500万円から700万円位が通り相場です。それをたった3日間使って後は廃棄、誠に勿体ない。アイパオだと繰り返し使える上に初回の200万ほどで済む。それに色々創意工夫出来るのです。

前回は喫煙者天国のザ・スモーカーの話。今回は「ろくでもない新製品開発館」の話をします。

陳列室の上からは回転タワーが飛び出し、内部は商談室、陳列棚の下の段はスタッフの所持品収納ボックスになっております。

ところが社内でこのアイパオブースを褒める者皆無。それどころか得意顔の中洲に「建設に駆り出されて迷惑千万」とのアンケート結果を突き付けられ昨年暮れは心底凹んでおりました。

それと言うのも会社の彼らは勝手に自分のビジネス大きくして昨対20%アップの売上と3倍の利益を上げて中洲の存在感を極度に薄くしておるのです。このまま引退するのもシャクだから何とかアイパオで一花咲かせなきゃ・・・・苦苦。

ここに30年近い仕事の相棒がいる。名前はキヨタカ。大阪の美大出てまともなサラリーマンの経験が無く独立開業で「鋳物の風見鶏」なんかこさえて細々と暮らしを立てていました。遂に金策尽きて諦めてルミカの門を叩いた男。細っそりした美人のカミさんと一緒の2人を博多駅に迎えたのはもう30年も前のことです。

この男何と30年間もケミホタルとルミカライトをマジメと言うか中洲士郎にはとても退屈でやってられない仕事を続けています。

仲間内で新製品を競っていますが特にキヨタカのは褒めてやる気がしない代物ばかり。初めっから竹飛行機みたいな小物でそもそも大型ロケットを狙っていない。それに「アイパオ凄いですねえ」位お世辞の一つも言えない男。

何時の間にか彼も65。会社の規定で嘱託で安月給。「おいお前。なんとかならんのか。下手な渓流釣りなんかに凝ってないで。100万200万円の小物じゃなくてドーンと一発数億円のヒット飛ばんのかな。まあお前には無理だな」「・・・」

それが去年の10月頃、伜からメールが入っていた。「父さんとこの太刀魚仕掛け凄くて入れ食いらしいが街の釣具屋どこも売り切れで社内の誰も手に入らんのよ」

「フーンそうか。キヨタカのあんな物」と放っておいた。今度は五島の宇久島のあの村上さんから「ウチの伜がルミカのタイラバ凄くて最近は漁師も皆使っているけど品が手に入らんらしい」と。それで「ああそうか伜がサンプルをねだって来たのだ」と悟って遠賀の工場に行ってスプレー絵を描かせれば当代一のオーヤ君に頼んだ。机の中から本当に惜しそうに取り出した太刀魚テンヤ3個を有り難く頂きました。

初めて手に取って見たがそりゃ凄く美しく太刀魚なら思わず食いつきたくなりそうな逸品。これを伜に送ってやったら勤める尾道の会社で仲間内に羨ましがられたようでその週末の船釣りで良い型を20匹も揚げたとメールが入りました。

それで嬉しくなり会社の全社朝礼で「皆さん!売上と利益上げるのはいい。経費を抑えて皆の分配金増やすのも結構だがプニラバの様にユーザーが感激する商品を開発するのも大切だ」なんてキヨタカを持ち上げてしまったのです。

太っ腹に見せようと演技しただけです。究極の開発マンを自認する中洲にとって見下してパワハラしていた相手に先に結果を出されてしまったのは誠に苦い事態です。

以下の動画で気色良く両手を広げてお客に大きな魚の話(文字通りフィッシュストーリー)をしている鼻持ちならん奴がキヨタカです。そして中洲のアイパオの陳列棚には美しい太刀魚テンヤとプニラバが並んでいます。

みんなビデオ編集も上手いなあ。売れる筈だ。アイパオのいい動画も欲しい。

 

アイパオの話(その41)

昨年12月からウイルス空間除去製品でひとヤマ当てようとゴソゴソやっていました。そうしたら中国武漢で新型コロナウイルスが発生しダイヤモンド・プリンセスではあの惨状。世の中も中洲も大変なことにになっております。

そして我が愛しのアイパオです。その華麗な姿をフィッシングショーで皆様にご披露しようと仲間たちと正月返上で頑張りました。ノボせて尿酸値が急上昇したくだりは昨日のブログに。

横浜で1月17日から19日まで開催されたフィッシングフェスティバルと2月7日から9日までの大阪釣具ショーの様子からご報告します。

東京支店の張り切り娘のアッコと計って釣具大手並みの広いブースにアイパオを5棟建てる事にしました。今日はそのうちのザ・スモーカーの話です。

中洲士郎は小学校の時から密かに変人・奇人・天邪鬼(あまのじゃく)出来れば忍者になりたいと夢見ていました。(ラオポに言わせれば“ガキの頃から単なる目立ちたがり屋たい”)

そこで天邪鬼的発想から小さいアイパオで喫煙家垂涎の喫煙室を演出する事にしたのです。ここは我らが建築士コムロの出番です。「これこそ逆転の発想、喫煙革命だと注文が殺到する」かと思ったら日本人のお客は「フン、面白いな」だけでした。しかしアフリカはセネガルからやって来た青年がパオから離れず横浜から大阪まで張り付く事になりました(この話は後ほど)。

映像のコムロはこのアイパオ(キャンパオ2型)の内装をたった1日で仕上げました。テーブルの上のステンドグラスのランプは老婆(ラオポ)作。家から持ち出すのに一悶着。

 

裸のウイルスプロローグ痛風の話(その2)

ウイスキーのつまみならチョコレートがいい。それもゴディバのオレンジピールが最高。しかし何しろ高いし最近姿を見ません。

だったら暇を見つけて自分でこさえてみよう。(と言ってもラオポの手を借りるわけだが) 甘く煮込んだ甘夏の皮をしっかり天日干ししてビッターチョコで枯れ枝姿に包みこむのです。干し柿や干しイチジク、乾いたチェリージャムの細切りなんかもイケるんじゃないかな。「どう? 中洲がこさえたチョコレート」なんて言って美女に差し出したいです。

しかしスタンドバーの止まり木に一人じゃなく連れがいたら酒のつまみは何より洒落た噺が肝心カナメ。

タリスカーがメジャーなウイスキーだって知ったのは最近のこと。日経朝刊の一面にエッセイ付きのタリスカーの広告。皆様も目にされるでしょう。エッセイストで著名なバーテンダーでしかも超ダンディな島地勝彦さんが毎回お酒のストーリーを傍らに登場します。まあ格好のいいこと。しかし日本人の年取って格好いいのって大抵チョイワル親父の匂いがしませんか。それに島地さんの話はとても洒落てますが自称インテリ女性が直ぐに傾きそうな内容ばかりです。

その島地さんをして「参った」と言わしめる対極の話し手は我らがアイザック・アシモフでしょう。博士は自分のことを研究室で若い娘を追い回す助平親父と自嘲してましたが恐らく歴史上一番博学でユーモアに富んだ科学者でした。

そのアシモフが夢見る究極のダンディズムはなんだろうってタリクカーをチビチビやりながら俯瞰しますと「黒後家蜘蛛の会」という推理小説のシリーズで登場する老給仕のヘンリーに行き着きました。場所はマンハッタンのスタンドバー、月に一度の6人の男達の飲み会です。ヘンリーはいつも謙虚で礼儀正しく物静かな振舞いですが恐ろしく論理的な思考力の持ち主なのです。カウンターの内で静かにタコと小海老のアヒージョなんかをこさえながら6人の学者達の話に耳を傾けております。論議に答が見つからず袋小路に入ってしまうとヘンリーに意見を求められる番がまいります。そして毎度同じセリフ。「私などの出る幕じゃありませんが、調理の合間にお話をお伺いしながら思ったのですが」と前置きして見事に難問を解決します。アシモフが面白いのは普通の推理モノや科学モノと違って医学、数学、物理、化学、天文学の教材をミステリー仕立てで分かりやすく話してくれるからです。

博覧強記の男と言えば日本人なら南方熊楠、しかしこの手は表向き大抵変人と言うのが通り相場でしょうがアシモフさんはにこやかに科学がどんなに面白いかを語り続けます。しかも若い娘達が大好きです。しかし冗長家であるのがアシモフさん自身の悩み。それで彼の理想像としてヘンリーという寡黙なキャラクターをこさえました。ヘンリーこそアシモフが夢見る「いい男」なんでしょうね。

そこで今晩はアシモフに登場して貰って傍らの架空の妙齢の「いい女性」に話をして貰いましょう。島地勝彦さんと違ってこんな風に。

・・・という訳で上手い具合に痛風免れたんだけどそもそも痛風というのはねえお嬢さん。(アシモフはこれから話が長くなる) 46億年前に地球が誕生したでしょう。そして38億年前に海が出来て生物が現れてそれから33億年間も海と淡水の中で生き物は静かに進化を続けていきます。それからやっと5億年前に脊椎動物が4.6億年前に無顎魚類が生まれて自由に水中を動き回れるようになりました。3.5億年前に蛙などの両生類が現れて陸上生活の快適さを覚え3億年前から爬虫類が陸上を闊歩します。鳥類と哺乳類が生まれのが2億年前そしてヒトがこの地球に出現したのはついこの前15万年前の事です。

その進化の過程は大抵化石と炭素年代測定で形態学的な人間への長い道のりを正確に辿ることが出来ます。だが血液や筋肉など身体の組織の変化は化石には残されていません。そこでアシモフの専門の生化学で生物の種の違いによる生化学的進化の道を辿ります。例えば各生物の身体の細胞を包む液体の成分の類似性から微生物が泳いでいた38億年前の原始の海の成分を推測できるのです。

さて今夜の主題は痛風の話です。これは生物種にとって存続に必須の排泄作業の進化から生じました。生物は捕食すると窒素成分がアンモニアに変化しますがこれは猛毒だから血液に入る前にどんどん身体から洗い流す必要があります。だから三葉虫などの節足動物は河口近くの淡水中で脊椎動物へと進化しました。海水はイオン濃度が淡水より1000倍も高いのでアンモニアを排出しにくい。そこでアンモニアを低毒性の尿素に変えて小便として排出する術を編み出したのが魚類ではサメ、次に蛙などの両生類や爬虫類です。海に戻った魚達はアンモニア排出に苦労します。2億年前に出現した鳥類と哺乳類は水の少ない環境で生存するためにアンモニアを尿素次に尿酸という毒性が少ないが分子量が大きくなって従って水に溶けにくい化学物質を身体に溜め込む術を取得します。鳥類達は卵生の為に尿素を尿酸という固形にして排出。猿と人間を除く哺乳類は尿酸で痛風が起こるのを防ぐために体内にウリカーゼという酵素を作って尿酸よりもずっと水に溶けやすいアラントインに変換する術を編み出しました。それで猿や人間のように痛風に悩まされません。じゃあ何故猿と人間は血液の中に危険な尿酸を蓄える道を選んだのか。生物は全て退化する道を選ぶ筈がない。そこで秘密を探った結果尿酸はプリン体でコーヒーカフェインと同じ脳神経を活性化することが分かったのです。

お分かりですかお嬢さん?猿とヒトという種族は尿酸の痛風の痛みよりも思考力増強の必要性を選択して尿酸を血中に残す道を選んだのです。だから尿酸も大切な成分なのです。

な~るほど昨年12月はブログ書く時間もないほど商品開発で忙しく脳味噌が活性剤をジャンジャン要求したので尿酸をアルコールに溶かして運び込んだわけか。それで尿酸値が急上昇したのですね。これからも尿酸とアルコールと仲良く付き合って人生を楽しみます。

巷の飽きるほどの「好いた惚れた」の話よりもアシモフの方がずっと面白いですよね皆さん。

そのアシモフさんの話を正確には記述できておりません。間違いはお許しください。早川書房アシモフの科学エッセイの中の「たった一兆」ウニと人間から尿酸の記述を引用しました。時間があれば是非お読みください。

裸のウイルスプロローグ痛風の話(その1)

お昼ご飯を控え目にして仕事を終えジムで汗を流し渇きに渇いてたどり着くロックのウイスキー。それもテレビの通販の叫び声がうるさい老婆(ラオポ)のウチの食卓じゃなくスタンドバーのカウンターならもう堪りません。

そんな悶絶の酒に浸る夜を無慈悲に閉ざしたのが一片の診断書。

昨年12月末、かかりつけの女医さんが朝の血液検査の結果を見て「一体どうしたの。尿酸値が9.8もあるじゃない。治療しますか。親指腫れて動けなくなりますよ」

一瞬考えて「先生1ヶ月断酒します。治療はそれからで」そして1ヶ月、正月も我慢して今日検診を受けたのでした。

この1ヶ月、実際には痛風は起こらなかったけど夢の中で何度も痛風を発症して多分絶叫しました。小心者の中洲士郎、実は話に聞く痛風が怖くて酒が飲めなかったのです。

結果が良ければ「原因判明」で飲む、悪ければ「酒は痛風に関係ない」と、これも飲む。心に決めての今日の受診でした。

そして女医先生の口から出たのは

「一体全体どうしたのですか。尿酸値が7.2まで下がってますよ」と。

それで今晩は天神親不孝通りを下って懐かしい「あんみつ姫」を過ぎたところの路地に漂う空気に「何かいい店」の予感。歩道の窓越しにチラチラ燃える電灯が垣間見えると躊躇せずにドアを押します。するといつもの風景、壁一杯の洋酒そして落ち着いたバーカウンター。「フジ」というお店でした。

さあもう安心して美味いお酒が飲めます。「尿酸値が上がれば断酒すればいい」のですから。糖尿病だって「糖質カット」でKO。去年江部康二さんのブログを拝見し早速糖質カットを実践してみました。血糖値は別に高くないのですが3ヶ月間続けてみて体調の劇的変化を実感。問題は老婆(ラオポ)との献立バトルです。「米飯無しで日本人は何食べればいいんだ」と挑みます。結局糖尿病になっても糖質カットで美味いものなんぼでも食べれるという安心感だけが収穫でした。

昔々、西式断食を10日間経験してみました。身体中に溜まった澱と老廃物が外に出てしまいます。だから断食が悪い筈がないから癌になったら断食して身体中の悪い成分を排出しよう。癌になるのはその大掃除の格好のチャンスじゃないかと思っています。尿酸値の女医さんのように癌の大先生が叫ぶかも知れません。「一体全体どうしたのですか?この前の癌が消えてしまっている」って。癌に何も変化なければ断食なんか効果ないと確信して病巣を切り取ってもらえばいい。身体は超精密化学工場だから時に大掃除が大切だと思います。

さてお店に入って「オーヘントッシャンありますか」って恐る恐るカウンター越に尋ねると。締まったベストのバーテンダーが「得たり」とばかり「有りますよ」口元に少し笑みを漂わせ、さりげなくボトルのラベルが見えるようにカウンターに置きます。シブチンと思われたくないので「ダブル、ロックで」と。

ロックグラスのどっしりと大きなアイスボールになみなみと注がれたウイスキー。この味です。去年ドイツのミュンヘンのバーテンダーに教えて貰ったのがこのオーヘントッシャン、一昨年がタリスカーでいずれもオクトフェスタでビールの大ジョッキ抱えて馬鹿騒ぎした後でした。

氷が少しも溶けないうちに飲み干したので敢えてタリスカーを継ぎ足して貰いカウンターを2本の美味い酒で飾りました。

こういう場面で音楽通なら更に心が痺れるのでしょうが・・・音楽を解しない中洲には時折り漏れ聴こえるくらいの音色でフロアはあまり静かでなく潜み声が漂う位が好きです。

この日の客はキャリアウーマン兼プレイガール風の独り飲みの女性だけです。カウンター越に別の給仕が相手をしておりました。こういう場合バーテンダーはそんなに女性に顔を近づけてはいけません。手にした渇いた真っ白のクロスでグラスを磨きながら背筋を伸ばして女性の話に頷いてやるのが絵になります。(続く)

光るボールの話(その4)

皆様お待たせしました。

ただ今大連で激戦中です。やっと光るボールの仕様と名前が決まりました。

名前は大燦球・BIG THANK YOU, ワンプッシュでボールの内側に新配合の発光液が付着して燦々と輝きメガホタルとなって飛翔します。

写真を御覧下さい。

まさにメガホタル

軽く押せば光ります

10月15日の夜、コムロとホテルの前で遊びました。日本に帰ってYou Tubeで動画でご覧にいれましょう。いい感じです。

この2年間、中洲のパワハラに耐えに耐えた5人の勇士に感謝。

ヒハラ、ヤマテ、ダン、ワンそして遂に体調壊したアリヨシです。

生産は本年中に第二工場を改装して日産4万個を目指します。その生産ラインには二酸化塩素ウイルスバスターも仲間入りです。

2階のワンフロア1000m2を占領。1階はアイパオ生産です。

豚コレラって怖い名前ですが英語ではSWINE FEVER、豚熱だから大したことありませんが可哀想に豚さんがどんどん殺処分されています。そこでボール型ウイルスバスターの登場です。

「そんなんでウイルスに効果が有るのか?」

その中洲の率直な疑問に対して

「この地球上に二酸化塩素以上に人類に安全でウイルスの活力を弱める素材はありません。有ったら教えて下さい。直ぐに取り替えましょう」この名文句をはいたT社のS社長。本当にキレの良いイカサマ言葉に惚れ惚れです。

という訳で今度は可愛い子豚救出作戦を開始します。

中洲若子の話(余話その3)

「大連で見つけた一方亭の話が面白かった。続きが読みたい」と仰る一人の読者のお言葉に胸がそわそわしました。それで相棒と連れだって福岡市薬院の例のしょうき家の暖簾を再びくぐることに。

綺麗な女将さんと初めてカウンター越しにおしゃべりさせて頂きました。

包丁をにぎるイナせな料理人とはご夫婦でしょうか。素朴で憂いを含んだ眼差しで女将が聞き覚えのある「一方亭の話」をします。傍らの男は敢えて無関心を装い、子気味のいい包丁の音でお供をしております。中洲はボソボソと一方亭訪ね歩きのくだんの話をします。

高橋是清の隠し子の曽孫に当るこの店のオーナーは現在ベトナムで和食の店を展開されておられる由。先般この「しょうき家一方亭」から手を引き一方亭の名前を看板からおろされたとの事です。「来年にはこの店も再開発でたたむことになりそうです」と。いよいよ一方亭が博多の歴史の舞台から姿を消すのでしょうか。

身体に毒とは解りつつ「締めのラーメン」に正に逸品の「レモンラーメン」を頂ました。大名の「極み」のアゴ出汁ラーメンに勝る「福博一のラーメン」でした。「今夜は品切れのシジミラーメンをこの次は是非」と。

カウンター越しに女将が「一方亭に縁があるんですよ」とそっと差し出した瓢箪絵の湯呑み。断わって写真に収めました。その時は気付きませんでしたが先程アイパッドの写真集からその写真を取り出して観ると懐かしい名前が刻まれておりました。

「あの絵も一方亭に因んだものですよ。お客が描いてくれました」と女将が指差す先に。

もしかしたら一方亭を訪ね歩く「すき者」は中洲士郎だけじゃないのかも知れません。

アイパオの話(その40)

この歳になっても受験に失敗したり卒業できなかったり失業中の夢を見ます。そして目が覚めて何時も夢でよかった・・・と。昨夜は夢かそれとも現(うつつ)か、床の中で少し面白い新しい仕事を見つけました。

それは「自然農法養鶏」です。

自然農法とは愛媛の福岡正信という篤農家が苦心の末に編み出した農法で「不耕起・不除草・無施肥・無農薬」ながら凄い収穫をあげるという怠け者の夢の農業です。本にも書いてましたが日本の因襲社会は他所と違うことやると即村八分に遭う世界なので開発に大変苦労されました。都会ではあの中村修二さんも同様に泣かされました。そんな環境でも大仕事するんですね。日本人ほど面白いユニークな人間を輩出する国は世界に無いんじゃありませんか。皆さま是非ネットで福岡正信を検索して下さい。日本人であることに何かこう、胸がキューっと嬉しくなります。

自然農法には沢山の「ど素人のインテリもどき」が飛びつくようですが大抵失敗します。中洲士郎も由布院塚原の草原に鍬を入れた時にこれにハマりましたが矢張り失敗で断念しました。実は自然農法は物凄く難しい農法なのです。

昨夜の事です。「待てよ、インテリもどきでも自然農法が成功する方法はないか?」

福岡正信は無施肥と言っても鶏糞だけは推奨しとります。それでアイパオ鶏舎一棟に60羽の鶏飼って一反の休耕田で自然農法を始め荒地の半分づつ交代で鶏を放し飼いしたらどうだろうと考えました。

皆さん一緒に机上プランから実践してみませんか?中洲士郎の失敗は何時も準備不足、作戦不在、日本軍のような運任せに起因しました。だから「失業した時」「何か再挑戦したくなった時」のために前もって机上プランをやって独立カードに記録しようという算段です。その一つ「自然農法養鶏」もカードに残しておきましょう。

先ず農地の取得は都会人の他所者には容易じゃありません。しかしアスキーのように土地に根を張れば「うちの田畑買わんか」の話が沢山舞い込みます。

お米作っても精々手取りは一反(300坪)10万円。1町歩耕して年収100万円。おまけに制約あって誰にでもは土地は売れません。農業仲間取引ですから売価は反当り20万から30万円です。貸しても年1万円位。一般農家は本当に気の毒です。しかしこの経済凍結状態は野心的な農家や都会の若者にとって起業するにはチャンスです。

だが何をどうやるかです。

米作りみたいな重労働は嫌、農薬まみれで虫もカエルも死滅させる農業は許せん。米なら外米買って食べればいい。もっと面白い自然に優しい仕事がしたい。福岡正信の自然農法なら失敗しても素晴らしい自然が蘇る。成功するビジネスモデルができれば都会から若者が農村に押し寄せる。

アスキーに調べてもらうと由布院塚原では今一反25万円4反買えば100万円、5反買えば農民になれる。出来れば5年以上農薬に侵されていない休耕地がいいでしょう。一反の真ん中にアイパオを立てて畑を半分に区切りイノシシが入らんようにしっかり柵をこさえます。

福岡正信の教え通り野菜の種を粘土でくるんだ団子を草むらに投げ入れます。生育を見ながら両方扉のアイパオから鶏を放して野菜や草や元気な虫たちを食べさせます。時にはパン屑や配合飼料も少しだけ食べさせましょう。池もあるといいですね。虫やカエルや小魚の楽園です。

アスキーの実績では鶏一羽当たり年間200個の卵を産みますので一反で12000個4反では48000個、完全地卵ですから今は一個30円ですが20円で売るとして96万円の収入。野菜も出来ますからコメ作の3倍位の反当り収穫ですね。

贅沢は言わん事です。パワハラ上司の会社で苦労するより年収100万円で農業始めたらどうだろう。椎茸も作ってイノシシと鹿の肉を分けて貰って自然農園で来園者にBBQでも食べさせたら年収300万円も可能じゃないか。

嗚呼、中洲士郎も又浪人したくなりました。会社辞めて来年から由布農園で起業しようかな。牛小屋に代わって立派な住居も建つことだし。

由布農園の草むらです

アイパオの話(その39)

久し振りに魚植共生アイパオのその後について報告させて頂きます。可愛い魚たちに今日、大事件が発生したのです。

その前に我らの日常を紹介しておきましょう。開発小屋は10年ほど前、ルミカ創業仲間のドガワさんが戻って来たので中洲が発案しました。まあ年寄りの隠居小屋でも作ってやろうと大工を雇い仲間内でこさえたシロモノです。

居心地がいいので現在定住者5名にアドレスフリーで3名ほど出入りします。

何処の家庭でも平穏な生活に変調きたすのが犬や猫のペットのチン入でしょう。ルミカ開発館でも途中2匹の野良猫、ミカンとスズも同居しました。現在は35匹のサクラマスが新しいチン入者です。

今年2月のフィッシングショー大阪でアイパオの魚植共生館を世界で初めて公開しました。そこで「お魚が居なければね~」と元気なアッコが富山から持ち込んだのがサクラマスの稚魚2000匹。殺生も出来ず大阪から福岡まで必死に搬送しそれから始まった苦難の日々。何しろ魚たちは日に日に大きくなるので連日問題が起こります。日に3度の餌やりは勿論、先ず水温13℃キープ。おびただしい魚の糞尿除去、それに酸素注入です。ある時は酸欠で小魚達が一斉に口を四角にして顔を水面に出して悲しく喘ぎ、見る間に水中に沈んで魚ならず虫の息です。

どだい数が多すぎました。いろんな事件があってその都度ナカムラさんがネットで学習して対応。只今35匹の大きなサクラマスが震災救援用ジャグジーで泳いでおります。連中も早熟で、恋の追っかけっこばかりして僅か半年で産卵開始です。水は何度も精液で白く濁りそんな時は餌に見向きもしません。

その開発小屋の定住者の役割ですが。

毎朝のお魚の健康管理はアルバイトのナカムラさんの仕事。水温は14℃以下でチラーや温調管理はデンキ屋ドガワさん。水中とインターネット映像管理はヒメノさん。それに何でも加工屋のイワモトさんは専らアイパオ開発一途。自称発明屋の中洲士郎加えて都合5名。共通項はヒメノさん以外皆んな定年をとっくに過ぎていることです。

さてその事件の真相ですが、今日は怠けて少し遅めに倉庫に入ったナカムラさんが本当に目を丸くして「水槽の水が無くなって魚たちがアップアップやってる」と叫んで小屋に駆け込んできたのです。

真っ暗の倉庫一面が水浸しで装置は全部止まっております。「ああ遂にお終いか!」調べると水中ポンプのホースが中洲手製のろ過装置からジャグジーの外に飛び出しています。しかも水を10cm程残したところでタコ足配線がショートしてポンプ類が停止していたのです。奇跡的に残った僅かの水で魚達が息絶え絶えでした。

ドガワさんと中洲は懸命に乏しい水の中の魚に酸素吸入。他の3人はナカムラさんが遊びに行って 見つけた薬王寺温泉の裏手の清流まで300L水タンク2つ持って水汲みに出かけました。

1匹の死亡もなく無事に19℃の温泉で魚たちが泳ぎ始めたのは午後12時も過ぎておりました。

「こんなことって会社の仕事と関係有るんでしょうかねえ。真っ当な仕事して時給少し上げて貰えれば晩酌の発泡酒が本物のビールになるんですけどねえ」とナカムラ。「独り身をいいことにフィリッピンバーで散財しなきゃいいんだ」「バーじゃない安いパブだ」などと狭い水槽で騒動の魚たち同様に開発小屋でも久しぶりの賑わいでした。

確かに2000匹から減ったと言っても過密飼育の35匹のサクラマスです。動物虐待のそしりを受ける前に駐車場のアイパオ共生館を急いで復旧させて例の保育園の可愛い園児達をびっくりさせねば。「おーいイワモトさん頼むよう」です。

次回大きなサクラマスがアイパオドーナツ水槽で猛烈に回遊する姿をヒメノさん担当のBi見逃サーズでご覧に入れましょう。

Bi見逃サーズで撮影のこの魚、産卵に入りました。

星野焼源太窯(その4)

小学生時代、人生で最良の日々を共に過ごした仲間が又1人この世を去りました。

その仲間たちとは中学を出ると各々別の道を歩みますが社会に出て再会があってお互いの人生が糸を紡ぐ。その交友は何時もケレン味のない昔の小学生同士で別れる時は唯相手の元気を祈りあいます。

昨日永眠した財津君もその1人。福岡市赤坂門に友人と2人でテーラーを開いたので何時も彼にスーツを頼むようになりました。その店を閉じて一人で営業するようになってからは年に二度決まってルミカに来てくれました。いつも生地見本から適当に生地を選んでの発注です。時折採寸して貰いますが何時も「士郎は寸法がちっとも変わらんねえ」でした。「お陰で10年前のも着ているよ」「仕立てで7万円じゃ長く着られたら商売にならんよ」「そうか、小学校中学校の同級生を回っているのか。そりゃ効率がいいな」「崔朝栄なんか30万円位のをポンとオーダーしてくれてたな。キップのいい奴だった」「中洲若子の話」でヤクザ相手の金貸し業で若死にした「我らの歪んだ英雄」崔君の話をしました。中洲と違って大層気前のいい男の姿が浮かんで参ります。崔君は小学校時代の仲間には命がけで愛情を注ぐ男でしたから財津君にも気を使ったのでしょう。

その財津君はと言えば小学校の時から目元涼やかで少し高倉健の雰囲気を持つ真面目な本当の男前でした。それが2年ほど前会社にやって来た時帽子を被っておりまして、それを取ると下はつるっ禿げ。

「何事か?」の問いに「前立腺癌を患った」とのこと。何十年も細身でスーツをシャキッと着こなしていたのが太って少し苦しそうです。「士郎も採血のみのPSA検査で前立腺は検査できるからやっとけよ」とアドバイスくれました。

右が財津君。小学5年の時、名島で貝掘り。母親若子の妹安江のうちにお邪魔しました。左が関岡君。彼を早く見舞わなきゃ。幼い時のアルバムをめくると改めて幼友達との日々が迫って来ます。

それに服の事は任せっきりだった友人が居なくなって人生が少し面倒になりそうです。それにしても一度くらい気前よく10万円位のスーツをオーダーしとくべきでした。

まあ中洲のスーツは全部財津君がこさえたからこれを大事に着ればこれからは他所で新調しなくていいだろうが。                合掌

会稽の恥(その1)

どの人もこの人も好きで堪らんルミカの皆様との68回目の全社朝礼、大連出張中につきご挨拶の代読をお願いします。

毎月指折り数えて今回は68回目の全社朝礼、これは68ヶ月前会社が危機に瀕した時、皆で「会稽の恥をそそぐ」故事に習い空腹に耐え仕事のやり方を変え新製品新事業を立ち上げて再興を誓って68ヶ月、即ち5年と8ヶ月経ったわけです。そして遂に皆様の頑張りのお陰で創業以来の収益を上げる中、私は社長業そっちのけで今日も新製品開発という一番面白い仕事に携わらせて貰っております。

このところ、その新製品新事業開発について

皆さんの期待が高まって来ました。その期待とは新製品でも実際に会社の売り上げと利益と社員分配を増やせるかもしれない。そして新製品でお客様をビックリさせようとの機運の盛り上がりに他なりません。

その新製品としては

化学反応ボール・メガホタル

二酸化塩素・クレリンボール

ケミホタルペイントと新型ベイト

二酸化塩素スプレー

バンちゃんクレリン

使い捨て発光シャンパンタワー

キャンパオとグランパオ

Bi見逃サーズ

更には旅順名産のチェリー加工品

(今日はその事業立ち上げの協議)

などが挙げられます。

特に化学反応ボールはボールの成型から全て自社生産で規模も年間数百万個から一千万個を見込み、従って売却予定だった大連第2工場が新ライン設置で急遽再整備に入ります。

これもラッキーなニュースです。休眠中で隣の自動車会社に捨て値での売却も覚悟していた連云港市の東海ルミカでしたが数日前に中国政府が再飛躍を期して連云港市を新設の海外自由貿易区に指定したのです。これも大きく動きそうです。

ルミカはどうやら追い風に乗ったようです。業務提携先のT薬品さんが念願の年商100億円を突破したとして話題ですがルミカも負けずに皆さんで来年は年商50億円突破を狙いませんか。

それでは皆さま呉々も健康に留意して私同様仕事を楽しんで下さい。

9月2日、大連より中洲士郎

大半の読者が社内とは言えブログに朝礼の挨拶文を載せるなど・・・「中洲士郎そろそろ焼きが回った」と察せられる御仁に、実はどうしてもお話しておかねばならないのがあの「会稽の恥」事件です。書こうか書くまいか?いや、書きたくてウズウズしていたのが今朝の明け方全社朝礼を書き送って決心したのです。会社を襲った世にもおかしなこの事件の顛末を書き始めようと。