共同開発

ブログに書き出して新たに見えてくることがあります。(今日の題目は面白くないかも知れません)

今日大手化学品会社の開発マンが来社してくれました。開発をコラボしようというわけです。先方エリート社員1人に対し、野武士山賊の類の我が開発マン10名が対応しました。税引き1000億円の利益を上げる会社と1億円の我が社との違いが随所に際立ちます。

若者が社会に出て最初に勤める会社は、ひな鳥にとっての親鳥と同じで直ぐにそこに同化します。10年も経つと会社ごとに明らかに別種の人間に育っております。

会議の進行を眺めていて感じたモノが、今ブログ進行中の中洲の脳裏に沸々と湧き出すようです。

我が社にとっての商品開発は直ぐに晩飯代にならんといかんのです。だから先ず売れるかどうか?金を使わずにどうやればいいか?が商品開発の基本にあります。しかしエリート会社の社員は違う。まあオットリしてますな。これを幸せと言えるかどうか。一方で開発の成否は不公平なことに運が90%かも知れない。だからこの高貴な開発マンが可哀想なウチの貧乏開発マンとコラボした事で、新開発をゲットして彼の大会社で表彰を受けるかもしれん。これも開発の面白いところでしょう。

他人同士ですから、トラブルが出ないように事前に機密保持契約など面倒な手続きを踏むのが普通。そうなるとコラボなんか程遠いものになり、老い先短い中洲には到底耐えられるものじゃない。

失うものより得るものが多いと期待して腹を割った方が話が早い。一般に相手のものを盗む場合は隠れてやるもんだ。話し合ったら盗めるもんか。そして開発マン同士は相手の発案を大切にして信義を守り合う人種だと信じなきゃいかん。

開発のネタなんか腐る程あるし、土台その中でヒットするものなんかいくつもないんだ。良くても悪くても早く結果を出すに限るよ。

2時間の協議で光ったのは
「ウチのこの営業品目をオタクの技術を加味して何か面白い変化を出して欲しい」
「ウチの開発中のこの案件でここが困っている。解決を手伝って欲しい」
こういうフランクな応答ができた事だろう。

この後ヤマテチーム3人が会議室に残って開発会議をやった。新商品発想法の具体的な例題に「光るボール」も出した。中洲の開発手法「押してダメなら引いてみな」でイケメンタカデが光るボールのトリックに正解に近い答を出した。このチームはルミカ流商品開発の伝統を受け継ぎそうだ。

画期的な新製品が必ずしも世にスタンディングオベーションで迎えられる訳じゃない。大閃光ペイントに至っては「鼻白む」キワモノと取られる心配が日増しにつのる。

大閃光エイト、バンバンライト、Bi水族館が完成、それに光るボールも目処が立った。次は早いところ光る文字シートの仕様を完成させてルミカショップでテスト販売を始めよう。

しかしここで世人を眩目(げんもく)させるに足る新製品といえば松食い虫駆除だろう。日本の白浜に緑の松林を取り戻さなきゃいかん。そこでチーム会議では松の樹液に二酸化塩素を溶解させて憎っくき線虫駆除のシステム完成を直近のターゲットにあげることにしました。

凄いニッポン人

今日のトピックは何と言ってもあの養殖マグロの冒険家イワオ氏に付いて、移動イケス開発現場の視察でした。

イワオ氏と謎の開発マンは正に「類は友を呼ぶ」って感じだ。その開発現場は、ルミカの目と鼻の先の神湊漁港から玄界灘に抜けた水際に建つぼろ家でした。朽ちた旅館を改装した代物らしい。だいたい曲者のイワオ氏は実態を前以て明かさないのが主義らしい。今回も誰に何の目的で会うのかよく掴めていなかったのです。

「とにかく凄い男がいる。会わせよう」だ。
その凄い男は長崎の大学の教授の肩書。開発現場に引率される途中で「ガイアの夜明け」にも登場した先生だとイワオ氏耳打ちする。

真っ暗な海、直ぐ軒のそばまで打ち寄せる波、今にも崩壊しそうなバラック建てを至る所補強を重ねてその工場は動いていた。平日は大学院で教鞭をとって週末この工場で移動イケスの開発に取り組む。何とまあ大時代的所業じゃないか。要は魚のイケスを規格軽量化して精密制御を付加し、トラックや飛行機で魚を(元気に生かして)運搬しようという容器の開発だ。まあ秘密を守る為かもしれんが古き良き時代のモノづくりで哀愁さえ漂わせている。

厚い胸板、精悍な顔つき、静かな物腰、それでいて野心家の気迫、その先生十分に役者としても通用しそう。中洲は装置は勿論、梁の補強、床のレベル出しまでつぶさに観察してコストも採算性も掴んだが、コメントは執念の開発者に失礼な気がしたので差し控えた。実は中洲もアイパオイケスでアンモニア吸着に「ゼオライト+麦飯石」のデザインは仕上がっている。いつかこの日本の古典的開発マンとアイパオを前に夢を語り合う時があるだろうか。

さて皆様、なぜルミカがこの現場に同席したかと言うと、水槽の魚の状態を遠隔からリアルに鮮明に観察し記録できるカメラの提供を頼まれたからだった。「実はカメラはど素人でね。本業はこれケミホタルです」「あ、そう。ケミホタルなら長崎で釣りで昔から世話になってる」この挨拶の後、中洲が持ち込んだ「Bi水族館」は使えないと判明。

先生の目的は例のチョロQカメラで最高の解像度の最新版を探すことだ。これは今日新調のグレーのキャリアスーツで決め込んだイシバシが引き受けることになった。帰りの喫茶店で知ったのだが、彼女素早くネットを検索し、先生のカメラの中身を割り出していたのだ。007のスパイもどきだね。そんなわけで開発野郎どもの思い思いの武装が解かれたのは夜8時前でした。

Bi水族館デビューするかも

アニメジャパン2018がビッグサイトで開幕です。


お江戸深川の5分咲さくらを観て会場へ。

会場は若い子達で熱気に包まれルミカのブースは沢山の人だかり。中洲は場違いで身の置き場がありません。

バンバンライトはまあまあの人気だった。ヤマテの手作りだから矢張り空気漏れがあった。しかし液漏れしない構造がいい。

「中っさん話がある」エンドウとノマ組に引っ張られて出展者休憩室へ。某プロ野球球団への提案の件だった。今をときめくそこのオーナーのツルのひと声で、無線LEDからルミカの化学発光体重視に流れが変わったらしい。「当たり前よそのオーナーと中洲士郎は高校が同じだから」「中っさん。そのオーナー、中っさんのこと知ってんですか」「今の所全く知られとらんがその内、(あんた先輩だったのか)って声掛けてくれるかも知れん。野球場なら光るボールだな。来週から中国にすっ飛んで行ってボール作って来るからそれも提案しろ」

 

メールが入りました。以前報告した四国宇和島のマグロ養殖の会社からです。NHKの取材があって360°カメラによるリアル映像が紹介されるらしい。ルミカ新開発の防水360°カメラかどうかは不明だが問い合わせが殺到したらどうしよう。商品は未だ完成しとらんのよ。

猫の手バンバンライト

今朝のNHKニュースで定置網に入った魚の状況がつかめないので漁師が四苦八苦している報道がありました。

潜水夫が潜って見ると禁漁の30kg以下のクロマグロ300匹と他にも高価な魚が入っているが皆んな網から逃がさんといかんとの説明。だったら中洲の「Bi水族館」を取り付けて網目を開閉して船上から30kg以下のクロマグロだけを逃せばいいのにね。

その「Bi水族館」ときた日にゃモタモタばっかり。未だまともなサンプルが仕上がらない。すぐそこに大物が寄ってるのに仕掛けが水際で絡んでしまった格好だ。大物が逃げたらどうしよう。他所に先を越されて市場失ったらどいつをドズけばいいのだ。全く気が気でない。「新しいの発明して製造するのは中っさんの仕事でしょう」と開き直っているようだ。社内の動かない釣り具SEGの連中を思い出して今朝の役員会では中洲又もや荒れ狂ってしまった。

一方、大連では昨日から出張のヤマテとタカデ組がバンバンライト製造で頑張っている。24日と25日アニメジャパン2018で3000本配ろうと計画したら100本しか持ち帰れんと。これもまったく~

それに猫の手バンバンライトも依頼したが到底無理だ。デザインはヤマダさんが手がけているので次回掲載しよう。可愛いフアフアの手とプチプチの肉球が光ってきっと大ヒットすると思う。猫の手が受けるって言い出したのはミツヨシさん。いい歳こいてそんな癒し系が分かるのかな?

苦美味いカクテル

昨日から北九州市小倉の西日本総合展示場で西日本釣り博が開催されルミカも小さなブースを構えている。

今日は小さな出来事がきっかけで重い気分の1日でした。

小さな出来事というのは中洲が昨日由布農園で鶏と遊んでいた頃、ルミカを辞めた2人の美女がせっかく釣り博に訪れたのに会えなかったのです。1人はブースに入り、あとの1人は離れてブースを覗いて中洲が居ないので帰ったとのメール。2人の来訪は少し予想されたので由布農園を選んだのが悔やまれました。その2人に今日の日曜日もう一度来てくれないかと頼んだらピシャリと断られたのでもうガックリ。

そうなると中洲の目玉新製品「Bi水族館」の展示にも次第に腹が立ってきて展示場を抜け出し小倉銀天街の辺りをウロつく事にしたのです。

腹の虫が収まらないのは、水族館の実演で水槽に居るのは冷たい水に動かないバカ金魚だけ。そんなものをVRゴーグルで子供達に見せているのです。会社の釣り具営業の連中は誰一人「Bi水族館」に興味ないらしく世間にごちゃごちゃ並んでいるコピーまがいの品ばかりを紹介している。更に腹が立つことがある。西日本釣博実行委員会とやらに駆り出されて社の役員が交通整理なんかやっている。中洲の新製品PRとどっちが大切なんだと言いたくなった。

ところが今度はもっと自分にムカつくことに出くわした。会場の出口近くでその主催者の会長に遭遇してしまってね。社の役員が交通整理に駆り出されたのを抗議すべきを中洲ときたら咄嗟に笑顔を作って、おまけに彼に同行の写真班から仲良く笑顔で並んだ写真を撮られたのですよ。

それで自分の不甲斐なさに憂鬱になって銀天街を抜けて歩くうちに駅裏の猥雑な一角に足を踏み入れました。そこに漂うのは昔懐かしい小倉の裏街のすえたにおい。タイムスリップしたように何とストリップ小屋が今でもありました。そこは又中洲の不毛の学生時代のどぶ池でもあります。このいかがわしい空気が今日の少し重い気分と更には郷愁とミックスして何となく居心地がいいカクテルになったのです。

今日はこんなバカな話をして読者に申し訳ありませんでした。


ルミカの小さなブース

真っ白のキャンバス

中国漫遊7日目。深圳業務最終日。明日には東京へ帰る。

今日は先ず例の藤岡氏にお会いした報告を。
超ご多忙の中、藤岡ファンの来社ということで
時間を割いてくれたようです。

第一印象は中洲とは段違いの強いオーラでした。
何の迷いもない強い意志を発散しています。
若いもんは自信があっていいなあ。
きっと深圳の若手成功者に名を連ね
ベンツじゃなくテスラで街を疾走しそうです。

中洲手短にBiRodから水族館等への開発のくだりを
3年間の深圳の経験を交えて話しました。
彼の明快な回答は
「尖ったコンセプトの水族館」には興味があり
商品化には大いに協力する。
例の今井先生との口腔検査キット等、
口やお尻に挿入するものは
「危ないからやらない」でした。

印象に残る話では
今やフアウェイなどの気鋭の会社は
中国を捨ててアフリカに向かっている。
「アフリカという真っ白のキャンバスに
通信基地を建てて13億の民衆にスマホを持たせ
お金と物資を流通させる事業に熱中している」と。

昼ご飯は本命のケーブルメーカーに入る前に
58%ディスカウントの謳い文句に引っ張られて
湖南料理屋に入りました。
規約の4人で5皿は流石にキツかったけど
味は素晴らしかった。

写真は春雨とエビの炒めだが火加減が実にいい。
これから湖南料理は狙い目ですね。

そのケーブルメーカーとは十分納得しあえて協議を終えました。
ロサンゼルスをスキップして深圳に飛んだのは
キット神様のご加護だったようです。

防水ケース

今日で中国漫遊は6日目となる。
ハシモト君が明日
「ハードウエアのシリコンバレー深圳に学ぶ」の著者
藤岡氏と面談のアポを取ってくれた。

今日は事務所のスタッフ3名と一緒にBTP社を訪問。
Bi水族館の基幹部材の防水ケースと
特殊ケーブルの開発を依頼した。
水族館の成否は此処に掛っている。
素人のワシの目から見ても
カメラの防水機能には開発の余地が多いと思う。
今回水族館に施す防水対策がきっと評判になるだろう。

オオツカが3Dで素晴らしいモックアップを
BTP社に届けていた。
よくもこんな精密なサンプルが作れるもんだね。
中洲から見ると大した天才よ。
ところが機械じゃなく手作業となるとダメだ。
一連の水族館のサンプルで
夜中まで罵倒したくなる下手な細工。
「押してダメなら引いてみろ」
この勘どころつかめばモノになるんだが。

そこで中洲も「引くこと」を考えた。
樹脂接着は熟練を要するからオオツカに出来ない。
ならば樹脂接着じゃなく
強力ウレタン防水シールを使用しよう。
これならケースが痛んだ場合取り替えが効く。
「樹脂で固めてカメラの取り出し機能を無くし
完全防水に徹する」のがベストだとの
中洲の「思い込み」があった。
これを修正させたのがオーツカのドジだろう。