会社に出て畑で遊びます。
島らっきょう恐るべし。由布農園でニイザワさんから丹精込めて世話焼かれた島らっきょう。かたや工業団地の荒地の上の僅かな真砂土に中洲から投げ込まれた痩せた小っちゃな島らっきょう。それが5年経ちますと見捨てられた1個の球根から100個位丸々太った島らっきょうが鈴なりです。正に中洲士郎の化身ですね。
20年前由布院塚原に中洲士郎が仕事をサボって入植した当初、格好つけて福岡正信さんの自然農法をかじりました。三無農法(無施肥無耕起無農薬)です。結局素人農民上手くいくわけありませんでした。しかし開発館のこの島らっきょうこそ自然農法の賜物です。確か毎年11月ごろ覆いかぶさった雑草と一緒に島らっきょうの長い葉を刈り取りました。すると島らっきょうだけ新芽を噴き出し他の雑草を領地から追い出します。それら雑草の養分は高価な肥料なんかより余程滋養があるのでしょうか。由布農園では1つの球根から5〜6個なのに開発館では数えますと実に100個もありました。
畑を僅か一列収穫しただけでほれ、この通り5kgのらっきょう漬けです。因みに普通のらっきょうは粒が大きくてイマイチですが2年ものの花らっきょうは値が張るけど小粒で美味いですよ。ところが島らっきょうの酢漬けの歯ざわりと風味は花らっきょうを超えます。だけど問題はその手間です。収穫して洗うのに1時間、夜遅くまで一個一個薄皮剥くのに4時間。これは中洲士郎の仕事。それから酢漬け作業、それは老婆(ラオポ)の責任。「頼むから島らっきょう持って帰るな」背後からTVドラマに熱中の老婆(ラオポ)の声です。