アイパオの話(その67)

4月は日本中が桜さくら。そして多くの若人が新しく社会に出ます。中洲の会社でも新入社員の歓迎会と研修会、そしてトドメが恒例の久住「坊ガツル登山」です。今年は昼飯抜きでジムに通った効果が出て難所「すがもり越」を踏破しました。78歳未だ元気です。

ところで近頃の世の中の不条理、一体どういうことでしょう。コロナのドサクサに政治と医療と企業の癒着と拝金主義、次世代への莫大な借金のツケ。そしてウクライナでは世界の注視の中での残虐行為。現世の大人は一体どうやって子供たちに次の時代を託すのでしょう。

皆様、こんな時こそ商品開発で気分転換ですぞ。本当は若人に戻ってヴェルレーヌの恋の詩に浸りたいが今はダメ。ヒット商品出なけりゃ会社は危ういのです。

前回皆様に100坪分譲建売農園200万円プランを自慢げに明かしました。しかしネットを検索すると中洲の独創などかけらもない事が明らかです。誰もが農業ビジネスに目を付け中洲に似たアイデアを探り当てているので少しガックリしました。ケミホタル開発でもそうでしたが同じ時に同じことを世界中できっと200人が考えているのですね。

だったらそれがどうして世に実現しないのか?今回は登山研修7名で泊まったレゾネイド久住の高級ホテルのベッドの中、相部屋だから燈を灯さずにアイパッドをググって思案しました。

日本にイノベーションが起こらないのは矢張り霞ヶ関の諸規制が原因です。各省庁は一様にイノベーションを抑えて既得権益が侵されないことに専念しております。農林水産省では農地の使用をがんじがらめに縛っておりました。極め付きはお情けで認めた貸し農園にも恥ずかしい規制の数々。「貸し農園の賃貸は認めるが同一人物が5年以上同じ土地を使用しない、出来た作物は売ってはいけない」と。

「食料品の輸入がストップしたら大変。37%の食糧自給率を何とか上げろ!」とぬかしながらですよ。

年老いた農民はもはや鍬が握れない。代わりに若者達が農業に活路を見出そう、都会を出て農園で子供たちを育てたいと願ってもハナから無理ですね。

そうなると例によって私生児魂が頭をもたげます。「規制には何か抜け穴あるはず。二酸化塩素ではやられたが今度は病気相手じゃないから戦いやすい。世界に類のない圧倒的に素晴らしいファーム開発プラン出せば勝つ筈だ」と。

はてさて難題が解けません。悶々として夜を過ごしました。

10㎡(6畳)の狭いログパオにどうやって風呂とトイレを置くかがその問題です。風呂についてはカズキ君が中洲の棺桶を思わせる風呂桶をこさえました。収納庫兼食台兼ベッドで辛うじて合格。だがトイレだけはどうやっても得心が行かないのです。いくら狭くても豪華TOTOウオッシュレットを置きたい、しかし問題は浄化槽です。ウンチを焼く、バイオで分解、SAPで固める、穴を2箇所掘って交互に土を埋める等等。これらを牛のように反芻しても決め手を欠きます。

「思考が行き詰まったらターゲットを変えてみること」いつしかそんな癖がつきました。

建築基準法逃れで部屋が狭いからやっぱり二階だな。だったらロフトだ。50mm厚のログ材をボルトで繋いでロフトを作ろう。これまでPVCの素材ではどうやってもロフトは無理だった。だが今回は丈夫な北欧ログ材で頑強な木製ロフトが作れる。しかも小屋の側壁がログだから耐えられる。ロフトには丈夫な手摺と梯子をこさえよう。屋根裏の隠れ家が一番好きな子供たちの様子を空想していた・・その時妙案が・・・。

TOTOトイレを二階に置いてトイレに浄化槽を直接繋ぐのだ!大口径塩ビパイプを4回折り曲げて中を浄化槽に細工する。ここはオーノ君の出番、浄化はオールド君が鯉の水槽で実証済みじゃないか。

フィンランドの山小屋ではトイレなら落とし込みが常識だが日本の役人がそれを了承するはずがない。勿論世界一快適なTOTOトイレに飼い慣らされた日本のユーザーも必ずNGを出す。しかしこのパオトイレを見ればお役人も最早NOと言えず自分も一軒欲しくなる筈だ。

これを来年1月ラスベガスでのCEショーに出して世界の投資家の目を惹きつけよう。「テスラを追うiPAO」とかホラ吹いて。

そう。今日4月10日は母親中洲若子の誕生日。生きていてくれたら96歳でした。

パーティで仲間に振舞おうとカズキが喜んで仕事サボって釣ってきたキジハタ
アイパオ野菜工場で玉ねぎ植えたら0.4㎡でこんなに沢山、パーティの食材に
開発館横の非社有地で歓迎パーティ
老婆(ラオポ)の秘伝のタレのカツ重が進化を遂げて好評でした
坊ガツル登山研修、スガモリ越です。
魚植共生館でザリガニ釣に興じる新人。

ログのスカートを穿いて砂パオも進化しております。