アイパオの話(その70)

とんでもない夏が終わろうとしている。

中洲起業して43年、思いつきのチャレンジに家族も会社も皆が振り回される。どう見ても愚行としかいえない「殿。ご乱心」型も多い。福島の上岡化学買収劇がその最たるもの。その致命的愚行が東日本大震災と東電補償で奇跡的リカバー。その無鉄砲起業から43年間、そろそろ終活の時を迎えての新規アイパオ事業ではさすがの中洲士郎にも「諦める」という単語が今夏の猛暑の中20棟のアイパオ施工で頭をよぎった。

売上になったのは先ず

石川県の小松市で2棟。HISの野心的なペット同伴ホテルの和風囲炉裏パオ(アイパオの話その69)

次に博多の怪人の要請で宗像のグローバルアリーナに5棟のアイパオ

グローバルアリーナ5棟のうちの1棟
同じく
同じく
同じく

更に小松で大好評に付き5棟の追加受注を受けました。

BBQだって家族とペットと一緒になって楽しんでいる。

これらに売上にならない「中洲千年夜市」や社内の試作パオが8棟もある。

中洲千年夜市で人気を博しました

だが新規事業として収益が上がる見通しは暗い。熱中症の中、算段するが年間1000棟建てても僅か10億円の売り上げしかない。それだってどうやって毎日3棟の資材を加工して現地で建てるのか。抜き差しならない状態が見えて来る。

戦争ならどう考えても勝算なき戦の太平洋戦争みたいなものだ。いかに早く撤退するかだ。

断念するにしても既に仲間が出来ている。取り敢えず来年100棟やって1億円の売り上げを上げよう。それから撤退を考えようと相棒3人で9月15日札幌に飛んだ。

ここは石狩市厚田区シップ。鹿児島を出立して30年この地で宅地開発で夢を追う園田さんと意気投合してしまった。徐々に増やして来た石狩湾を見晴らす彼の原野は100町歩に。電気水道下水をを自ら整備して別荘地分譲を行なっている。札幌の風雲児佐藤さんが永年惚れ込んだ夢追い人だ。一日彼と現地を探訪し、すすきのの「炙りや」で北の酒と肴を前に計画が躍る。

石狩湾を見晴らせる丘に電気水道下水道を備えた50坪の庭にログパオを建てて300万円で分譲するのです。来年は50棟の分譲、直ぐにモデルハウスを建てることに。

ここにアイパオをコンテナで送り込めばあとは園田さんがやってくれる

札幌の市街地から車で1時間の距離だからどの物件も転売の足が早いと。それに香港台湾中国豪州の個人客の熱い視線がある。しかし中洲の狙いは年収500万円位の若者達だ。

彼らに問いたい。「君は家族と夢を追うか?それとも、かけがえのない自然の生活を諦めてマンションの一室で年老いて涙するか?」

この危険な事業の向こうに感動が待っている。心配もある。台風でアイパオが吹き飛ばされたらどうする?

人類は木から降りて地面に住むようになってずっと家族を守る為に家と格闘して来たのに。

毎週末、石狩湾の小高い丘にセカンドハウスがあって畑を耕し鶏も飼える生活。子供達と海に沈む夕陽を眺める。台風が来る時は精一杯補強して我が家を守る。それを実現するのがアイパオプロジェクト。それを諦めるか?

万一台風で小屋が崩壊して人はiPAOを責めるだろうか?怒って直ぐに転売してしまうだろうか?

米国に進出して「リトルハウス」として売り出せば10万棟だって可能だ。売上は1000億円。テスラへの道が開けてくるかも知れない。当分悩みが続きそうです。

アイパオの話(その68)

夢を追う

ずっと昔安サラリーマンのあの頃。週末は4ナンバーのライトバンに家族5人で柴犬の「マット」を連れて旅に出たものだ。財布が乏しいので宿泊は狭い車の中。それでも楽しかった。いつも思ったのは「郊外の農園に家族で楽しめる小さな住まいがあるとどんなに良いだろう」って。

仕事で何度かフィンランドに行く。夏のヘルシンキ。週末になるとサラリーマンは一斉にマイカーで北を目指す(社長は残って仕事)。誰もが森の中、湖のほとりにサウナ付きの小屋を持っていてウキウキ飛び込むのです。白夜でした。男が小屋の屋根に座ってピンクに染まる湖面を見入っています。日本にもそんな生活あれば良いな。だけど日本のその景色に建つ家は想像できないがきっと素敵な小屋に違いない。

夢が形に

由布岳の麓、塚原の里にドーム小屋を作り始めていつの間にか15年経ってしまった。東日本と熊本大震災の復旧に馳せ参じたものの結果得られず。3年前、中国北京での防災展で新型アイパオ(PVCの骨組にポリカーボのパネルを装った)がデビュー、話題となって中国国営CNNテレビにも出演したが・・・。未だ売れる代物じゃない。2021年瀬戸内国立公園赤穂市の海辺に2棟のアイパオが立ち上がってようやく事業の産声が上がる。これにフィンランドから取り寄せたログ材を組み込んで初めて夢の正体を見つけました。

形をビジネスに

いい女性に出逢うと男は誰しも胸が熱くなるもの。だが爽やかな好男子それも静かで渋い笑顔の実業家となると男でも胸がドキドキする。そんな男がいた。故宗政伸一サニックス創業者が遺した宗像市のグローバルアリーナに彼はいた。彼に呼ばれてアリーナに沢山のアイパオを建てる説明を受ける。何とその費用は全てあの博多の怪人がポケットマネーで払うと言う。アリーナからの帰途その怪人からのメール。

「決して値引きするんじゃない、その代わりに良い仕事をしろ」と。企業家たちは凄い。中洲士郎未だ黙鶏たりえずせわしき事チャボの如し。

コムロデザインのThe Smoker。喫煙者天国の小型アイパオ。「喫煙者肩身が狭いからねえ」と。
アリーナに出現するかもしれません。

皆さまどうぞアイパオのデビュー応援してやって下さい。

二酸化塩素ストア頑張ってます。少しだけ世間のお役に立っているようです。

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