裸のウイルスの話(その31)

多目的洗浄器の開発

「腸の不思議」という本読んでたらこんな説明がありました。

身体には口から肛門まで喉から肺までと尿道それに女性は膣、これらは空気や食物や異物が通り抜ける外界(がいかい)で当然そこには病原菌やウイルスが巣食います。これらが体内に侵入しようとするのを免疫細胞等が一生懸命防いでいるらしい。しかしその努力にも限度があり病気に感染してしまう。となるとこれら病原菌が体内に侵入する前にこれ等を退治して体外に排出するのが一番いい。

二酸化塩素水で劇的に病気が治った、悪臭が消えたとのSNSが巷に溢れているが何のことはない。川の水を二酸化塩素で浄水して飲用にするのと同じこと。別に薬で病気を治しているわけではない。

子宮頸がんというウイルス性の病気が若い女性たちの命を奪っている。ワクチンなど使わなくても掃除をすれば済むことじゃないかと二酸化塩素水膣洗浄器の開発を思い立った。

しかしこの単語を口にしただけで会社の女性社員の侮蔑の視線に遭う。それで多目的洗浄器と名前を変えて試作を繰り返した。

ヒラタ君と頑張って遂に完成。「おお!何と魅力的な姿だろう」早速その試作品を元警視でコワモテのナカガワ氏に頼んで東中洲の風俗の女性達にテストしてもらった。

二酸化塩素水のバッグからゴムポンプでピュッと

結果は如何に!

「何とデリカシーに欠ける代物よ。女性の誰がこんなもの使うものか」との罵声。しかし確かに匂いは消えると。

悪臭というのはどれも細菌やウイルスが悪さして発するものだろう。だからこれらが退治されているのは確か。それに副作用が生じるような反応系じゃないから安心だ。

そこで頭を絞りに絞って机上のルーターを動かして2時間。写真の通り完成した。してみると前作は確かに不細工だった。

大抵商品開発する連中は自己陶酔タイプが多く何時も最高の出来だ、世界的発明だと思い込む癖がある。「こんなもの使えるか」と言われて目が覚めるようだ。中洲士郎もその例に漏れない。

その昔幕張メッセで初期のアイパオを得々と展示したら一人の男から「ねえ君、これってルンペン小屋みたいだね」って言われて目が覚めたことがある。本当、冷や汗ものですね開発と言うのは。