アイパオの話(その53)

4月29日札幌出張を終えて帰福の朝です。「仕事ってこんなに楽しいものか」と運転中の若い石橋君に共感を強いながら札幌郊外の「茨戸川緑地」に向かっております。

北海道は他所の日本と違って空と大地が広い。もしも歴史の中で日本に北海道がなければ、もしも敗戦で北海道が他国の手に渡っていたら日本は息が詰まる窮屈極まりない島国でした。ここは文字通り息抜きの大地です。土地柄か北海道人は気持ちがおおらかで新しい事に直ぐに興味を持つようです。その昔夜釣りの光「ぎょぎょライト」が真っ先に遠い北海道でブームになったのも頷けます。だから中洲最後の事業「アイパオ」もこの北海道に賭けることにしたのです。

そしてここは何より食材がいい。相棒の石橋君が「ワタシ北海道のジャガイモになりたい」との奇妙な言葉が農場主の藤井さんやその仲間たちに大受けしたので今回の同行となりました。実は今回のプロジェクトはこれまでで一番非現実的で事業性は限りなくゼロ。それで藁にも縋る思いで引っ張り出したところ至誠天に通じたのか正に奇跡的な展開になったのです。

こんなエキサイティングな話は滅多にない事。皆様しばらくライブで実況しますから是非一緒に楽しんで下さい。それにしても怠惰な日常にこのコロナ騒ぎでしょう。生きるのさえも些か辟易されておられる御仁にはこの究極のプロジェクトご参加をお勧めします。我らが残りの人生はエキサイトするためにあるのですぞ。

世の為人の為になって、面白く、且つ飯が食って行ける仕事を作り出したい。そんな夢見たいな話が現実のものとなろうとしているのです。例によってイカサマの匂いふんぷんの中で展開して参ります。

今年の2月末に奇抜な「ワカサギとれた小屋」を茨戸川(バラトガワ)雪原に作った福岡人が今度は「アイパオをタダで100棟ほど建てさせて下さい」と昨日再びやって来たのです。元来縁もゆかりもなかったその風来坊の話に乗って車で農場の中を、次は石狩川周辺の原野を散々走り回っての立地調査でした。雪原になると風景が一変する北海道の魔力でもっても「こんな所にアイパオ建てて人が来てくれるかなあ」と不安が募って参りました。

・・と。車は細い道路だけがよく整備された「自然のままの公園」に入りました。入ったら直ぐが少し場違いなパークゴルフ場。平日なのに 100人くらいの年配者が楽しそうにプレイしていました。札幌市が運営する「茨戸川緑地」だそうです。広い。数十ヘクタールはあるビオトープ主体の自然公園です。もう少し森林が生い茂るなら、その昔老婆(ラオポ)を連れてフィンランドで歩いた自然公園そのもです。日本にも立派な公園文化が育ってきているのでしょうか。しかし焚き火厳禁の看板の自然公園にキャンプのテントはおろかアイパオ建てるなんて事業主からは到底許可出る筈のない場所です。

安西さんの運転の助手席で藤井さんが「死んだ親父がねえ。広い農地を市に譲ったけどせめて記念にと少しだけ残したと言ってたが・・・」と。そこでその藤井さんの所有地を探し求めて細道をグルグル回ることに。変な話ですね。自分の土地が公園の中にあるなんて。それにしても鷹揚なもんですねえ北海道の人ってのは。「あれーこれか。ちゃんと柵がしてある・・・」何という事だ。これからとんでもない事がここから始まるのです。

生きてるとこんな面白い瞬間があるのですね。これは皆さんと是非共有しなきゃ。

ホテルで昨夜ビジネスプランを練りました。そして今朝相棒の石橋君を引っ張って夢に終わらない事を確かめに来たのです。これから世にも可笑しな物語を皆様と一緒に紐解いて行きましょう。

先ずその場所とは

プロジェクトの名前は「防災グランピング」この名前だけで中洲が何をおっぱじめようとしているか想像して下さい。明日そのプロジェクトの詳細をお話しします。