裸のウイルス(その3)

アシモフ先生が仰るようにウイルスは半生命の化学物質だから1000倍大きい細菌と違って駆除に大量の殺菌剤散布など不要じゃないでしょうか。代わりに二酸化塩素など酸化力の強い分子で核酸と化学反応させて非生物にすれば済むでしょう。マスクなんか通常では全く効果ないけどこれも手を加えて少しでも役立つように工夫した方がいい。これが前回の中洲の提案でした。

さて今日の仕事はウイルス撃退法即ち感染予防法を皆様と一緒に編み出すことです。

先ず二酸化塩素が劇的にウイルスに効くというエビデンスがどうしても必要です。この課題に中洲士郎この1ヶ月悩まされました。しかもコロナウイルスの検体は厚労省の管理下にあって誰~れも触れません。だから二酸化塩素が効くか効かないか分からないのです。そこで他のウイルスではどうかということで地元大学の農学部にタバコモザイクウイルスでの実験を依頼しております。

しかし最早時間がありません。それでT社S社長発表の別の実験データを活用する事にしました。

 

薬学雑誌2013年133巻第9号記載です。中洲は論文読むのが全く苦手。密閉空間で据え置き型二酸化塩素発生器を用い低濃度でノロウイルスが99.9%死滅するという報告のようです。湿潤の状態が顕著だとあります。逆に乾燥では効かないようです。要するに僅かの二酸化塩素分子が水滴と一緒に空間に浮遊するだけであの怖いノロウイルスだって全て死滅するとの報告ですね。

論文よく読んだら実験のウイルスはノロウイルスでもネコカリシウイルスと言って培養細胞で増殖させた後ウイルスを抽出して二酸化塩素雰囲気の空間に晒しております。

それでも時間が経てば二酸化塩素に殺られております。別の麻生大学の報告書では初期の「二酸化塩素香」を用いノロウイルスの細胞で実験しております。「二酸化塩素」が細胞膜を破って原形質即ち細胞内液を数百万個の二酸化塩素で破壊して核の中に隠れたウイルスの核酸を吉良上野介宜しく召し捕っているのです。これは宿主に潜ったノロウイルスの場合でも二酸化塩素が殺菌剤として効果ある事を示しています。二枚貝に生息しマナ板などに付着したウイルスを死滅させるのにも有効だとの報告でした。

やはりインフルエンザウイルスでもいいから気管支から肺を侵すウイルスに二酸化塩素が有効とのエビデンスが不可欠です。そして引用した2編の論文から二酸化塩素は微細な水滴と一緒に噴霧する必要があります。シューッと速攻してものの数秒でウイルスをやっつけるのです。

この二酸化塩素の凄い発見を追試した報告はないし厚労省も本気でコロナウイルス感染対策を講じる気持ちは無さそうです。使命感責任感のかけらでもあれば隠し持つ検体使って同様のテストを実施する筈です。日本で開発されたが非嫡子児扱いにされている二酸化塩素の劇的な効果が先に海外で認められたら面目失うのは厚労省ですよね。

じゃあこの実験データに即して最適のディバイスを開発しなければいけません。実は中洲主導でこの2年間かけて開発した「二酸化塩素香スプレー」が既に完成しているのです。

スプレー缶には亜塩素酸ナトリウム溶液50ccとクエン酸水溶液が50cc分納されております。これが噴出口で化学反応して二酸化塩素が発生し平均10ミクロンのクエン酸水溶液に乗って密閉空間中に漂い浮遊するウイルスをやっつけます。その作戦の後は0.1mmでもコロナウイルスにとっては巨大な空間である床や壁の全ての隙間に入り込みウイルスハンターになるのです。

次に大事なのは換気と太陽光です。サーズでも何のことはない結局換気が一番大切だったとの報告でした。ウイルスは地球上で一番弱い生き物だから外に放り出し部屋は太陽光で消毒しましょう。次に再度密閉状態になったらS薬品の徐放製品を置いといて空気感染を予防します。壁や床やドアノブなどに新たにウイルスが付着しても先ほど潜んだ二酸化塩素が簡単にウイルスを不活性化する筈です。

 

そこで又計算しなくっちゃいけません。0.01ppmでは1ccの空間に何個の二酸化塩素分子があって何個のコロナウイルスをやっつけるに十分かという計算です。

ClO2の分子量は67で67gが22.4L。0.01ppmは1億分の1%だから空気1ccには18兆個の二酸化塩素が飛び交っているわけ。二酸化塩素はウイルスの百分の1のサイズだから絶対ウイルスは逃げられない筈ですが計算してみましょう。

ClO2が0.01ppmでは1m3に0.03mgのClO2がありこの分子の数は18×10の12乗だから1cmの間には26000個のNaCl2分子、その間隙は385nmとなりClO2濃度が10倍の0.1Ppmの場合はその半分の190nmとなりました。コロナウイルスの直径が100nmだから犬小屋のワンチャンみたいです。図解すると次のように。中洲の計算は多分間違っているでしょうから訂正して下さい。分子遊泳や確率の勉強サボりましたのでしっかり勉強した御仁に後はお願いします。

又中学の化学ですが次亜塩素酸ナトリウムNaClOと亜塩素酸ナトリウム NaClO2の2種類あって前者は厚労省に認可されハイターなど殺菌剤、漂白剤として市販されております。後者は確か未認可ですからまあ雑品という訳。前者は次亜塩素酸水溶液で散布後大層時間をかけて塩素ガスが発生、後者はクエン酸などの酸の存在で二酸化塩素が瞬時に発生します。絶対後者が安全でウイルス不活性化には勝るしクエン酸水溶液はアルカリの滓も中和して汚れ落としには最適です。

そして「二酸化塩素香」はこの2液を分納した世界初の優れものです。だが実験データがありませんからダイアモンドプリンセス号でも使って貰えませんでした。よくよく説明したんですけどねえ。

明日は次の課題に挑戦です。

既に開発終えたアイパオの二酸化塩素実験ドームで「二酸化塩素香スプレー」の噴出時間(量)と空間での二酸化塩素濃度の変化を測定します。その結果人体に悪影響がない事を確認した諸外国の感染研究機関が所持するウイルスのPCR増殖検体で二酸化塩素効果を確認するとの算段です。

この時です。「待て待て~」話を聞いた国立感染研究所の戸山庁舎から突然ラブコールがあったりしてね。そうしたら中洲士郎もみ手を擦ってお上の面前に馳せ参じることでしょう。日本人は所詮「泣く子と地頭」には勝てないのです。

裸のウイルス(その1)

前回の尿酸の話を中洲ひとり気に入って再びアシモフに目を通しています。アシモフの科学エッセイ集ではどのページを開いても科学の面白い話を「ねえ聞いてよ」ってアシモフさんが読者に迫るのです。

今日のアシモフの話は「これが生命だ」です。シリーズ第1巻「空想自然科学入門」にあります。詳しくは本を読んでもらうとして。

古来科学者たちは生命とは一体何だ、生命をどう定義すればいいのかと頭を悩ませました。

19世紀終盤「微生物病原論」で世界に衝撃を与えた哲人パスツールが引き続き狂犬病の研究をしております。そこから顕微鏡で見えない小さな病原菌ウイルスの存在を予告しました。科学者たちに半信半疑のウイルス説が1931年英国の細菌学者エルフォードがウイルス抽出に成功、1935年米国のスタンレイがウイルスを結晶化したことで決着し生化学が急速に発展するのです。

生物の細胞は核と原形質が細胞膜でしっかり包まれておりその核では核酸が巨大な染色体蛋白で保護されておりました。アシモフはパスツールから始まる極小の生命体の興味深い探究の歴史を紐解きながら「生命とは何だ」の疑問に答えを作っていきます。そしてこのエッセイは「生体の特徴は複製能力のある核酸分子を少なくとも1分子持つ事である」と結論して終わります。

残念ながらアシモフは1992年に心臓病で亡くなってしまいました。ねえ皆さま、もしも博士が生きていて近代社会が右往左往する中、新型コロナウイルスが拡散しているのを見たらどうコメンされるでしょう。

アシモフは何でも大きさの違いを比較します。

中洲もアシモフの例え話に倣いました。

人類が抗生物質で退治出来た細菌に比べてウイルスがその1000分の1だとするなら多分ウイルスは最近老婆(ラオポ)が奮発して我が家に備え付けたTOTOのシステムバスに落としたビー玉みたいな存在でしょう。細胞膜がスベスベの魔法瓶湯船なら全自動で終始注がれる快適なお湯が原形質と言うことになります。それにウイルスの核は94%の蛋白と6%の核酸で構成されておりまして人間の細胞に潜り込む時はその蛋白の殻をあっさり脱ぐそうだからあまり身持ちも良くないようです。結局ビー玉を細胞核とするならウイルス生命体の核酸はガラス玉の中のエアホールみたいに小さく捕まえ難い存在です。

従って細胞に潜り込んだウイルスの核酸を叩くには例えば爆弾で中洲もろとも風呂場を吹っ飛ばしてビー玉を破壊するに等しい荒治療が必要です。だがこのウイルスがふわりふわりと新しい人体を探して裸で空中を浮遊している時や床にへばり付いている時は無防備だからやっつける絶好機です。

アシモフの解説で生物と言っても結晶化できるほど小さなウイルスは化学物質のように容易に化学反応して生物でない物質に変わるのです。だったら新型コロナウイルスと容易に化学反応して比較的人類に害のない化学物質を特定することです。

テレビ報道で解説者の口から出るのはそろってアルコール消毒です。今回の新型コロナウイルスがアルコールとどんな反応するのか誰か実験したのでしょうか。中洲にはアルコールではしゃいだり酔っ払っているウイルスしか思い浮かばないのです。

狙い目は重くて酸化力が強くて人体に比較的安全な気体です。ウイルス陽性の検体を保管する人が実験すれば直ぐにわかる事でしょう。ウイルスならタバコモザイクウイルスで予備実験して貰ってもいい。

当局は医薬品の許認可を偉ぶってやるだけが仕事じゃない。日頃危機管理に取り組み有事の時には危機脱出に果敢に行動し危機が収束すれば再発防止策を講じるのが使命ではないのか。日頃国民に不興を買ってたらこういう時こそ良い仕事をして喝采を浴びればいいのに。頻発する自然災害の時何時もそう感じるのです。中国の武漢の若い医師が新型ウイルスに逸早く警鐘を鳴らしたら共産党独裁当局に拘留されたという話は独裁国家にのみ起因すとは思えないのです。

2011年3月11日中洲士郎は福島で東日本大震災に遭遇。その時の衝撃で「にわか義人」に変身し社会活動の真似事を始めております。悪戦苦闘の毎日です。ダイヤモンドプリンセス号の船会社や大学や武漢市当局へ新開発の二酸化塩素スプレーのリリースを送りつけていますが体のいいお断りの返信が来るだけ。思いの女性にラブレター送ったら振られたので苦心の文章捨てるに惜しく宛名を書き換えて複数の女性に送り付けた若い頃を思い出して楽しんでおります。

さてルミカでは今日も大連の工場で夜中迄二酸化塩素スティックを製造し中洲士郎といえば掘立小屋で老人仲間達とウイルスをやっつけるディフューザーの開発に余念がありません。しかしながらこれが対ウイルス防衛の最前線なら何とも心許ない戦の布陣でありますねえ。