アイパオの話(その21)

中洲若子の話に付き合って頂いて有り難う御座いました。お陰様で若子の話をこの世に残せました。しかし作家の真似事は本当に疲れるものです。

司馬遼太郎さんなんか締め切りに追われて大層命を削られたことと改めて尊敬の念を深めた次第です。しかし皆様、私も初めて故人の話を書いてみますとこれが結構面白いんです。少々嘘書いても、悪口言っても残念ながら相手は化けて出てはくれません。

さて商品開発は小説と違ってごまかしがききません。しかし小説と同じく売らんがためにもっともらしい嘘もつきます。我々の新製品なんて所詮は巷の情報の組み合わせですから中洲の話と商品開発は同根なのでしょう。

相変わらず毎日商品開発に明け暮れておりますがなかなかヒットしません。バンバンライトなんかやっとリリースしても全然注文が取れません。大閃光エイトも然り。そこそこ良いものではお客の食いは起きませんね。相変わらず大閃光オレンジの爆買いなどにすがって生計を立てております。

さてそんな釜暮れ人生もどきの毎日にPVCの押出しチューブがやって来たのです。これを見たオーノ以下の面々カーッと熱くなってこれに食らい付きました。これからフィッシングショー大阪2019までの50日間「革新アイパオ開発」に挑戦です。

 

来年1月中に完成しなきゃ

第一棟はドーム水槽でマスが泳ぎ回ってその上にレタスが茂る

第二棟は11名のお客が一蘭ラーメンのようなアイパオの椅子に座ってカップラーメンを食べる

第三棟は新製品展示館。11名の若者が自慢の新製品をお客様にプレゼンします。

ケミホタルの話をしましょう

ずっと出張が続いておりました。昨日大連から成田に着いてビッグサイトでのスポルテックショーに大連でこさえたバンバンライトを展示しました。今日はもうくたびれ果てて着陸した福岡空港からヒメノさんの運転でお互いの棲家二日市に向かっております。

「何とかBi見逃サーズをヒットさせたいなあ。この前の18日からのメンテナス展どうやった?」「こいつは凄い。あんたんとこの会社の株買っとくべきやった。安いなあ。どうしてこんな値段で出せるの?味噌樽の中覗くの大変でね。脚立は危ないし。これなら楽だ。すぐに買いたいな。そんなこんなの凄い評判でしたよ」運転中のヒメノさんの話に疲れが吹っ飛びます。

そう言えば宿題を忘れていたのを思い出しました。ブースに日立のエンジニアがやって来て「こんなモノ出されたらもう参ったな」「すみませんねえ。ウチは釣り道具屋だから竿は得意なんですよ」「会社は初めケミホタルってもの出しましてね」「えっ!ケミホタルだって?僕はその大ファンよ」彼暫くして県庁の釣り仲間とやらを連れてきて「記念写真撮らせてよ。ケミホタルの発明者と一緒のところを会社のブログで紹介するんだ」だって。

そうか中洲士郎はあのケミホタルの発明者なんだ。これってこの前の勲章よりも凄い誉れです。そしてお二人にケミホタルのカタログ送るって約束していたのを思い出したのです。

ついでに明日はそのケミホタルの話の一つを皆さまに紹介させて頂きましょう。

首から吊るしたタブレットには天井裏に隠れたあらいぐまが写ってます。

共同開発

ブログに書き出して新たに見えてくることがあります。(今日の題目は面白くないかも知れません)

今日大手化学品会社の開発マンが来社してくれました。開発をコラボしようというわけです。先方エリート社員1人に対し、野武士山賊の類の我が開発マン10名が対応しました。税引き1000億円の利益を上げる会社と1億円の我が社との違いが随所に際立ちます。

若者が社会に出て最初に勤める会社は、ひな鳥にとっての親鳥と同じで直ぐにそこに同化します。10年も経つと会社ごとに明らかに別種の人間に育っております。

会議の進行を眺めていて感じたモノが、今ブログ進行中の中洲の脳裏に沸々と湧き出すようです。

我が社にとっての商品開発は直ぐに晩飯代にならんといかんのです。だから先ず売れるかどうか?金を使わずにどうやればいいか?が商品開発の基本にあります。しかしエリート会社の社員は違う。まあオットリしてますな。これを幸せと言えるかどうか。一方で開発の成否は不公平なことに運が90%かも知れない。だからこの高貴な開発マンが可哀想なウチの貧乏開発マンとコラボした事で、新開発をゲットして彼の大会社で表彰を受けるかもしれん。これも開発の面白いところでしょう。

他人同士ですから、トラブルが出ないように事前に機密保持契約など面倒な手続きを踏むのが普通。そうなるとコラボなんか程遠いものになり、老い先短い中洲には到底耐えられるものじゃない。

失うものより得るものが多いと期待して腹を割った方が話が早い。一般に相手のものを盗む場合は隠れてやるもんだ。話し合ったら盗めるもんか。そして開発マン同士は相手の発案を大切にして信義を守り合う人種だと信じなきゃいかん。

開発のネタなんか腐る程あるし、土台その中でヒットするものなんかいくつもないんだ。良くても悪くても早く結果を出すに限るよ。

2時間の協議で光ったのは
「ウチのこの営業品目をオタクの技術を加味して何か面白い変化を出して欲しい」
「ウチの開発中のこの案件でここが困っている。解決を手伝って欲しい」
こういうフランクな応答ができた事だろう。

この後ヤマテチーム3人が会議室に残って開発会議をやった。新商品発想法の具体的な例題に「光るボール」も出した。中洲の開発手法「押してダメなら引いてみな」でイケメンタカデが光るボールのトリックに正解に近い答を出した。このチームはルミカ流商品開発の伝統を受け継ぎそうだ。

画期的な新製品が必ずしも世にスタンディングオベーションで迎えられる訳じゃない。大閃光ペイントに至っては「鼻白む」キワモノと取られる心配が日増しにつのる。

大閃光エイト、バンバンライト、Bi水族館が完成、それに光るボールも目処が立った。次は早いところ光る文字シートの仕様を完成させてルミカショップでテスト販売を始めよう。

しかしここで世人を眩目(げんもく)させるに足る新製品といえば松食い虫駆除だろう。日本の白浜に緑の松林を取り戻さなきゃいかん。そこでチーム会議では松の樹液に二酸化塩素を溶解させて憎っくき線虫駆除のシステム完成を直近のターゲットにあげることにしました。

大連素描

今日から2日間は大連ルミカで仕事です。

今回は老友ドガワ氏も初めての大連行。彼は「ケミホタルの秘密」にも登場するルミカ40年前草創期の仲間で、お互い波乱の道を歩んだ戦友でもあるのです。

我々を出迎えるのは門の横の汚い犬小屋に繋がれたワン公2匹。最近は中国でも工場に番犬置いとるのは稀ですね。

今日の課題は新工場の植栽選択と新製品バンバンライトの仕様決定、それに大閃光エイトの画期的な性能アップです。


想定通り従来の配合(右)に比べて3時間経過後も輝きを失わない。この赤色発光はLove in Actionでデビューする。バンバンライトも仕様を決定し発注しました。きっとミヤサカが嬉しそうに受注に走りますね。

今流行りの民泊についてだけど、中国人が日本の清潔な民家に宿を取るのは話になるが、日本人が中国で民泊するのはアウトですね。昨晩は中洲1人宿舎にあぶれて別のマンションの部屋借りたけど、これは頂けませんでした。それで今日は躍々ラオホとジュウミン悪友2人と大連の街に戻っての夕食です。泊まりは顔見知りの昱圣苑ユイションユエンに代わりました。

猫の手バンバンライト

今朝のNHKニュースで定置網に入った魚の状況がつかめないので漁師が四苦八苦している報道がありました。

潜水夫が潜って見ると禁漁の30kg以下のクロマグロ300匹と他にも高価な魚が入っているが皆んな網から逃がさんといかんとの説明。だったら中洲の「Bi水族館」を取り付けて網目を開閉して船上から30kg以下のクロマグロだけを逃せばいいのにね。

その「Bi水族館」ときた日にゃモタモタばっかり。未だまともなサンプルが仕上がらない。すぐそこに大物が寄ってるのに仕掛けが水際で絡んでしまった格好だ。大物が逃げたらどうしよう。他所に先を越されて市場失ったらどいつをドズけばいいのだ。全く気が気でない。「新しいの発明して製造するのは中っさんの仕事でしょう」と開き直っているようだ。社内の動かない釣り具SEGの連中を思い出して今朝の役員会では中洲又もや荒れ狂ってしまった。

一方、大連では昨日から出張のヤマテとタカデ組がバンバンライト製造で頑張っている。24日と25日アニメジャパン2018で3000本配ろうと計画したら100本しか持ち帰れんと。これもまったく~

それに猫の手バンバンライトも依頼したが到底無理だ。デザインはヤマダさんが手がけているので次回掲載しよう。可愛いフアフアの手とプチプチの肉球が光ってきっと大ヒットすると思う。猫の手が受けるって言い出したのはミツヨシさん。いい歳こいてそんな癒し系が分かるのかな?

バンバンライトの完成

役員会。タイクツでした。

午後遠賀からヤマテとタカデがやって来て先発のアリヨシと合流。開発のメンバーが揃いました。

実は一昨日中洲が東京からをアリヨシ宛のメールに悲痛な叫びを載せておりました。バンバンライトもう待てんと。「先ず依頼者中洲の指示に従え。そのあとで依頼者の発想を砕く知恵を見せろ」でした。

3人がテーブルにつきました。何か企みがある予感。先ずタカデが中洲指示のサンプルを披露します。「どうだ分かったか。前回のタカデサンプルよりも空気注入が一回で済む」と中洲自慢するも光にムラが生じる。製造がチト面倒でモリタでは量産が難しそうだ。

次にヤマテ登場。膨れた液のパウチを押さえると液が先端に向かって走り光の帯が出来た。そして逆止弁からストローで空気を吹き込むと全体ムラなく光った。「良いじゃないか」
バンバン棒の中に光の帯が隠されていた。帯状長時間発光体を大連で作ってモリタに渡せば簡単確実にバンバンライトが出来上がる。「中洲参った。遂にバンバンライトの完成だ」タカデよ。日曜日から大連に出向いて1万個帯状発光体をこさえて直ぐにモリタでバンバンライトをこさえて3月22日からのアニメジャパンで発表しろ。それが鬼の中洲の命令。若いタカデ君応えられかな。


中洲に勝って満足気なヤマテ君

市販のボールを光らせる

今日はアリちゃんと遊びの開発をやった。

バンバンライトでは若手に挑戦してもらい見本市で大きな評価を得た。
しかし中洲裁量で商品化では✖を付け
大閃光エイトとガゼットバンバン棒を組み合わせることにした。
発想から企画まで3ヶ月要した。チト長すぎた。

UFOボールの大ヒットの後、光るボールではヒットが出ず
開発チームはボールトラウマになっている。

今日はアリちゃんと遊びで取り組むことにした。
先ず新製品には新しさと同時に
他所に容易に真似できない技術の必然性が欲しい。

PVCボールにゲル発光液を注入すれば
長時間凄い輝きを発することが分かった。
直ぐにナイトプールに興じる娘さん達の
艶めかしい姿を妄想する。

簡単な方法として
例えば小さなマヨネーズ容器みたいなもので
ボールに発光液を注入出来れば容易に追随者が現れるだろう。
そこで注射器でやって見るが
アリちゃんのペインターの様には注入できない。
考えりゃ当たり前のこと。
ボールの内圧に伍して液を入れるには大きな圧力が要る。
ペインターでしか出来ない。

だったら商品になる。

色々光らせて遊んだ。面白い。流行りそうだ。

ドン・キホーテで買って来たカチカチボール
光るテニスボールにもなりそう。