チェリービールの話(その7)

皆様には長々とチェリーの話にお付き合い頂いております。退屈されるか馬鹿馬鹿しくって中洲ブログを退出される方には本当に申し訳ないです。

しかし後世のためにそのジャムがどうしてビールの話になったのかを書き残しとかなくっちゃ。

4月23日の事です。大連から市長はじめ要人の来日があり旅順口区のトップを夕食にご招待しました。皆さま恰幅良くマナーも素晴らしい方達ばかりです。

東京支店からヒハラ君とファン君も参加してくれました。

世の中本当に男前でにこやかに相手の顔を見て話に相槌を打って女性にモテる男性がいます。旅順口区の冷区長はそんな方です。容貌に自信がない中洲はひたすら話題で相手を引き込もうと努めます。そして「又喋りすぎた」と自責の念に囚われるのです。

今回もそのお喋りがとんでもない事態を招いたのです。

「ルミカが旅順に進出して20年。(皆さまルミカが旅順で一番古い海外企業だと知ってビックリ)  旅順の大変貌を見ながら共に発展してきました。2004年に旅順のチェリーに出会いその加工を提案、自らジャム作りに取り組み去年からはチェリーワインやチェリービールにもチャレンジしている」とホラ吹いたのがいけなかった。ルミカがケミホタルの会社だと伝えていなかったのです。

今回の大連市要人の来日はそのチェリー加工事業の為の調査だったのを知ったのは話の後でした。奈良の有名な酒造会社訪問も予定されて他にチェリー薬品やチェリー化粧品開発調査も含まれていました。勢いに任せてチェリー化粧品ならルミカの元化学者K嬢がりんごセラミド抽出の研究もやってるなんて喋っちゃいました。そしたら「ルミカさん是非是非大連市のチェリー事業に協力願います」って事になったのです。

さあ大変です。直ぐに電話して

チェリービールについてはT薬品に執行役員として招請されたA氏に、痛風に特効あると言うチェリー薬はT薬品社長に、そして化粧品は青森の元社員に助けを求める事になりました。

6月に入れば旅順半島はチェリーの紅色に染まります。この6月中にチェリー加工品に用いる色鮮やかなチェリーソースを確保しておかないと来年の事業化に間に合わないのです。

5月22日博識のイケダ君の手引きでA執行役員と大阪のとあるクラフトビール装置会社を訪問しました。ここでも人との有り難いご縁があって早速旅順チェリービールの試作が決定しました。

6月中に旅順チェリービールを作って大連市長始め皆さんに試飲してもらわなきゃ。

5月24日役員会に来ていた東京支店のヒハラ君にチェリービールの顛末話したら「ふむふむ」と言いながら2~3分で下のイカサマ写真を描いて見せてくれました。

新商品なんていとも簡単に生まれそうですね。

しかし実際誰がそのチェリービールの製造を手がけるのでしょう。ルミカは門外漢、それに今はアイパオとアイロッドなんかの新事業で忙しくチェリーなんかに構っておれないのです。

そこで5月17日旅順の哲人張先生を訪ねて「先生いい話ですよ。チェリービール作って下さい。全面協力します」と。そしたら「お前がやれ。何でも協力する」と返され窮地に入っております。兎に角「旅順桜桃啤酒」のサンプルだけこさえましょう。乗りかかった船ですから。

好きなことをやる

久しぶりに会社でくつろぐ。何とも身体が重い。仕事したくない。そんな時は好きなことをやる。中洲が好きなのはジャム作り。先ずジャム工場の掃除から。半年以上ジャム工場は埃をかぶっている。その掃除に1時間。次第に体が軽くなる。

ルミエールに頼んでいたポッカレモンを1ダース受け取りホワイトリカーとブランディを購入。

さあチェリージャムとチェリー酒作りの開始です。

今日はこの楽しい仕事をしたらいっぺんで身体が軽くなり頭のモヤモヤも消し飛んだのです。楽しいことやるのがレクレーションですね。


夜が更けて。カミウラ牛乳で作った奇跡のヨーグルトにチェリージャムです。史上最強のコンビに糖質カットの中洲は戒を破りました。実に美味い。至福の美味さですよ。

チェリー酒の話

夜が更けて旅順の藍湾(ランワン)の会社マンションの一室でくつろいでおります。

今朝はハイアットホテルで100名超の仲間たちの帰国を見送りました。アイリちゃんが少しお腹をこわした以外全て無事でした。

時が過ぎて何事も当然のように装いを新たにします。3年の歳月をかけた新工場が遂に落成し会社の一大イベント「発見と創造展」が終わりました。会社と仲間たちは40年目のこの木っ葉会社に乗船して第二創成期に入るのです。

今回の大連の旅を彩った小道具は何と言ってもチェリーとチェリージャムでした。傍のヤマテ君と夜更けまでチェリー談義。それもチェリージャムでピンクに染めたアルコールを飲みながらチェリーワイナリー開業の夢を語り合いました。

中国にはまともなお酒がない。どうだろう、この無尽蔵の資源に恵まれているのにです。それにひきかえ日本の凄さ、家庭での梅酒造りも加えたら国中が名酒を競いあうアルコール天国です。

これも神様の思し召しでしょうか。今回の大連行で得難いお酒の先生に出くわしたのです。25年間醸造一筋の男、そして流石にこの男、一瞬にして中洲推薦の張老師に傾倒しました。「張さんの農芸化学は本物だ」と。この男Mr.Aと中国でチェリービール、チェリーワイン, チェリー焼酎造りに挑戦するプロジェクトが密かに立ち上がるのです。

会社にはお酒大好きの女性陣が多いので彼女たちも仲間に加えようか。チェリー酒でピンクに彼女たちの頬をそめさせたいものです。

左から麦焼酎、ウイスキー2種にチェリソースを加えて

大急ぎで作った今年のチェリージャム。それでも鮮やかな色と絶妙の味わいがきっと中国の要人を魅了します。