アイロッドの話(その5)

11月14日とうとう幕張でインタービー2018開幕しました。若い連中に責任感が育ってくると命令系統に不協和音が起こります。「責任者は俺だ。俺の言うことを聞け」と暴君中洲に事態は悪化。それもこれも原因は皆んな開発の遅れです。

カメラの防水さえ確実に出来ればモニター受注は受けられます。その中で商品の完成度を高めて行けば「開発費を抑えて巨大なBi見逃サーズの市場をゲット」出来るのです。

高精度の360°防水カメラを離れた場所からの簡単操作で録画出来るキットを安価に提供するなら各種現場の問題解決に大きく貢献します。「お客様は本当に役に立つならあまり見てくれには拘りません」と中洲が自説を繰り替えしても若い連中は納得しません。かと言って彼らは技術問題解決には腰が引けるのです。

防水で頭を抱えるヒメノさんと2人京浜幕張駅そばの安くて不味い居酒屋で飲んでグチりました。直ぐにでも深圳の例のポリウレタン加工の会社に行って泣きつかんといけません。開発の胸突き八丁でずね。

「ねえヒメノさん。これさえ解決できれば次は360°IPカメラで水深100m。そうしたらアイパオやろうよ」結局1年間同じこと言ってます。

若い連中のデザインの感性は抜群。だが技術開発には逃げ腰です。

陽射しの中でタブレットを操作したい。要求にシャープに応えたタケウチ君の作品。

大連のジンユイ社長のプッシュで3日で試作させた収納ケース兼暗視箱

アイパオの話(その10)

7年半前に東日本を襲ったあの恐ろしい津波は日本人の心に到底癒えない傷跡を残しました。日本という地震国では太平洋岸なら10メートルもの高さの濁流が一切合切を飲み込んでしまうことを東日本で目の当たりにしたわけです。地震が午後2時46分じゃなく真夜中なら首都はどうなりましょう。長らく我々の心から厭世気分が消しきれないのは当然です。

今回のアイパオ第10話は「出陣式」の話です。

2011年4月12日いよいよ古賀市にあるルミカ本社の駐車場で仰々しくも東日本大震災支援活動「出陣式」を取り行ったのです。その救援活動の模様を書き残す段になって思考が頓挫しました。何を書いても読み直すと白々しくてブログにアップ出来ないのです。沢山の人達を海に押し流しながらそれらの犠牲を省みていない無為無策を書いては消しておりました。

そんな時に待ちに待った昨日24日の朗報です。約束通り大連金州の相棒からアイパオのプラスチックの柱と梁サンプルが大連新工場に届きました。東北支援出陣式でトラックに積み込んだアイパオは未完成だったようです。それで新型アイパオの開発を目論みました。下の写真のこんなプラスチックで御殿を建てちゃいます。それも3時間の記録を狙って。

この美しい日本で自然災害は避けられません。しかし地震が津波が引いたら家族が揃って空き地に飛び出し建築許可の要らないアイパオを明るいうちに建て終わります。そして日が暮れたら空調の効いた2階建てパオで家族一緒に鍋をつつくという図式でした。「子供達のために黙々と汗を流す昔のオヤジを取り戻そう」と。

それらを期待しての2011年4月12日の東北行でしたがあまり上手く行きませんでした。いや作業の楽しい写真を眺めると少しは成功したのかも知れません。それらを例によって布団の中で色々考えるうちにPVC異形押出成型が閃いたのです。

この「アイパオの話」では東北で経験した苦心談をボチボチ記載しながら今度の新型アイパオの開発模様を実況中継します。東北戦では敗れましたがトラウマを少しでも消して次の自然災害に立ち向かいたいものです。

アイパオの話(その8)

今読み直すとミキさんの国語力は中洲より格段に優っております。論理もしっかりしておりバー・コルで一緒に飲んでる時でも中洲の失言を絶対許しません。だから震災支援活動を論じるのは余程注意しないといけないのです。

そもそも支援活動について彼女とは根本的に考え方に相違がありました。まあ彼女は現地を見てないので衣類や食品を届けるのが一番だと思うのは仕方ない事です。メールでその事を正直に述べております。

じゃあどうやって問題を解くかになると中洲の奇跡のアイデアにイチャモン付けるだけのヒス女(性)ですね。一般的に女性は問題を解くことに男ほどには興味を持たないようです。

被災者には個人のプライバシーが守られる清潔な住まいを災害発生後数時間で届けること。それが文明国の為政者の義務なのだという事を久ノ浜中学体育館での避難民生活から確信しました。

メルトダウンの被害者である沢山の夫婦がダンボールの間仕切りで生活させられておりました。衆目は被害者達のセックスを破廉恥にも公然と奪っているのです。ついでに日本国民を何と礼儀正しく従順なのだろうと自慢しておりました。

こんな事態にこそ三島由紀夫が登場して檄文を差し出して欲しい。そう思ってネット見ると怖いですねえ。滅多なことは言えませんよ。政治もメディアも皆そうです。

然し思い出すのはあの久ノ浜中学での先生や生徒の献身的な立ち振る舞いです。彼らのように危機に際して「今こそ責任を果たそう」との心が持てれば未だ日本には救いがあると思います。

繰り返しますが瓦礫の前で「建築確認申請をすること、させること」が優先されるバカバカしさです。そして一棟300万円の仮設住宅を立てるのに半年、それもルールで一定期間の使用後数百万円かけて取り壊しです。あの合理的なドイツでさえ難民受け入れに同じことをやってます。全て税金の無駄遣いでしかも被災者や難民の神経を逆撫でするだけの上目線でね。

結局大震災の後中洲は半年間走り回っての渾身のアイパオ普及作業でしたが遂に一人の賢者にも出会わず無為に終わったわけです。次に起こった熊本震災で も状況は全く同じでした。皆異口同音に日本は「東日本大震災からは何も教訓が得られてない」と。

じゃあどうすればいいのか思案しました。何事にも不可能はありません。方法を見つければいいのです。無ければ作り出せばいい。

ホームレスを顧客とする「営利事業」を始めるのです。発想を変えれば事業は幾らでも広がることを唯一自慢の後輩の孫正義がそれを世界に実証しています。だが彼が震災直後投じた私財100億円の義援金は一体どこに消えてしまったのでしょう。他に問題解決策が天才孫正義に思い浮かばなかったのでしょうか。もはや「義援金」で問題は一つも解決しないこと、「真のビジネス」にこそ貧困問題を含む諸問題解決の鍵があると断じるべきだと思うのです。

お金の無い数千万もの人々にお金を貸す事業が成功しているのです。考えりゃこれこそ真っ当な銀行業であった筈です。だったら家が無い人にこそ家を売るべき。それが出来れば金持ちの被災者に1日1ドルで家を貸すなど造作もないことでしょう。

巧妙な規則を作ってそれを守らせることを天職と心得るのじゃなく「時代に合わない規制は急いで撤廃しよう。だが現行のルールは守らなきゃいかん。だから一緒にうまい解決策を見つけよう」それが優れた「公僕」でしょう。「DiDi」や「UBER」を白タク呼ばわりする行政に孫正義が遂に噛み付きました。彼のことです。きっと「約10平方米で災害発生から数時間で建ち上がる住まい」開発をビジネスとして捉えるでしょう。

これから何が起こるか読者の皆さんと一緒に期待しましょう。

子供達のためのバス停です。