アイパオの話(その73)

今年に入っても相変わらずバタバタです。1月の米国CES出展はその極み2月にはNHKさんの「サラメシ」でオモロい爺さんを演じたので視聴者の対応に追われ生まれて初めて「時の人」の気分を味わいました。中洲の発明も会社経営能力も内実すこぶる怪しいモノで3月に入り「身仕舞い」を実行に移すことにしました。社長退任と社内改革です。

一方で4月から昨年お話ししました北海道は石狩市での大規模なアイパオプロジェクトがいよいよ開始されたのです。石狩湾沿いのなだらかな丘陵1万坪、ここにアイパオを200棟建設するのです。

一方で「本業を傾かせる新事業はやっちゃいかんぞ」との例の妖精の囁きが聞こえます。「今なら手が引ける」と5月の連休独り会社で思案のフリをして過ごしました。「如何せん」と。

商品開発も新規事業挑戦もそして会社経営も要は売れてナンボ、黒字かどうかです。じゃあ確実に儲かる方法を考えればいい。即ち会社の蓄えを減らさずに湯水の如く開発資金を投入する方法はないものか?

暫くしたら「アイパオを雪の中でデッカい雪だるまにしたらどうだろう」札幌の素浪人Nさんの話を思い出しました。それでググったら下の写真に出くわしたのです。長野の「かまくら」村の賑わいでした。

先週石狩の「ぎょぎょランド石狩」の開発現場に飛んでまいりました。撤退じゃなく目下のレジャーランド開発の延期要請です。

昨年出会って邯鄲相照らす仲となった薩摩隼人のSさんは開発資金など頓着なくどんどん石狩プロジェクトを進めております。

この1万坪。最低でも1億まあ2億円もかければ景観は良くなりそうしたらランドは成功するかも知れんがそんな資金はルミカは出せません。そこで昨晩ススキのの「イクラ御殿」でSさんに中洲士郎の秘策を授けたのです。しかし一升近く飲んで酩酊のSさん、メモを取りながら捻るばかり。

昨晩の記憶が飛んだSさん、デッキの上の3棟のアイパオに自信満々でした。BBQハウス、サウナ風呂、居住用グランパオです。モデルハウスですから当然ジャンジャン注文を取るつもりだったのでしょう。しかし中洲は「そりゃ絶対イカ~ん」と。

今年は11月までに30個のデッキハウス90棟のアイパオを建設。それと200台の駐車場の整地です。今は汚い荒地も雪に覆われれば別世界に変身します。

冬が来る前に営業開始。BBQハウスは2時間5000円、酒食材は持ち込み。サウナは12時間2000円、グランパオは1棟貸しで一泊15000円。雪が積もれば裏手は初級スキー場に、スノーモービルも走り眼下の石狩湾は夕陽の絶景、夜は星が湾に注ぎ、竿を持って歩いて降りた堤防は釣りのメッカです。人が寄り付かないわけがない。お客様をどうやって感動させるかです。その経営なら次女のゆきかだ。彼女はこの5年間山梨の白州で子供2人と開拓者をやっている。彼女を口説きに行こう。

ぎょぎょランドではiPAOはルミカの所有として年間20%の高利リース、それでも費用負担は年30万円。売上は一棟あたり300500万円。稼いだ金は春、雪が溶けたらSさん気兼ねなく全部使ってクラインガルテンを造成しそこに冬場活躍したiPAOをユンボで運んで設置するのです。

日本国中に広がる耕作放棄地50万ヘクタール。農家は年間10万円で貸してくれるはず。ミソはルミカがアイパオをリースして起業者は初期投資を限りなくゼロにして業務に専念できることです。

この話に中洲士郎ひとり悦に入っておりますが今のところ称賛の声など一つも沸きませんです。悔しいから誰も読まないこのブログに50年先ひ孫が自慢するように記録します。「今や世界を変えたぎょぎょランドその昔一世風靡したぎょぎょライト同様中洲爺さんがこさえたんよ」と。

アイパオの話(その72)

人は皆夢を見ます。そして少しだけ動いてみます。しかし実現に向けて実行となると何がしかの常識が働いて無理を慎むものです。ところが会社のトップとなると幾多の失敗にも懲りず結局、何やかや理屈をつけて実行してしまいます。周りに溜息を残して。

そんな失敗ばかりの中洲士郎、止せばいいのに赤字続きで役員達に閉鎖を迫られた米国子会社を救済するとの名目で2023年の米国CES見本市出展をぶち上げたのが昨年夏。

そこらの見本市とは訳が違う世界最大のショーです。どうせ出展を断わられると思っていたらコロナ禍のせいか主催者からOKが出て泡を食いました。コロナワクチン接種を逃げていたので米国入国は無理で渡航を断念するしかない。だが責任は言い出しっぺの中洲にあるから矢張り行かなきゃ格好つかない。そこで無理して急速2回接種で接種証明が出たのが12月27日。馬鹿高い航空運賃で1月3日仲間達と離れて爺さんは孤独の旅に。いやあ酷かった。航空事情悪くラスベガス空港に到着したのは福岡出て50時間後でした。

オノデラ君編集。照れ臭いが敢えて掲載しますね

手ぶらで帰ろうモノなら社内の侮蔑の眼差しの中、確実に欧米での企業活動はお終いになる。「どうせルミカは零細小企業、所詮世界を狙える会社なんかじゃないってことか」となる。

それにしても現地で見る日本企業の元気のなさ、それに対して韓国ビジネスマンの活発なこと。しかしTecWest会場で俯瞰するところ目新しいもの何もない。人目を引くのは精々韓国企業の刺青プリンター位。こんなモノに入場料400ドル払って誰が見に来るものかと悲観するが他の見本市との一番の違いは来場者の殆どがCEOだと言うことです。即ちその場で決断できる相手なのです。

我がブースではiPAOを2棟建てて最長11.5mのBiRodをそびえさせて人目を引いている。初日、来客少ないのでイシバシ君には、いい男が通りかかったらブースに引っ張り込め、俺が料理するからと伝えました。しかし彼女、斜め前のブースの若者が超イケメンで気になる様子。収穫少なかった初日の終礼、皆50ドルの昼飯の不味いサンドイッチに文句付ける。その中でルミカインドネシア社長の韓国人の姜さんだけ「3日目が勝負よ!」と1人気勢を上げる。それもその筈今日は韓国からは釜山市やウルサン市の市長等大物が続々ブースにやって来ました。矢張り韓国人同士だから諸々の悩みを共有できるのでしょう。

2日目少し大きな引き合いがアイパオとアイロッドに出ました。そして3日目奇跡が起こります。ミネソタからやって来たと言うアイスフィッシング場のオーナーが奇跡の震源です。ブースのアイパオと室内で放映中のオノデラ制作札幌茨戸川ワカサギ釣りのビデオを見て(驚愕してか)呆れて大笑い。先々続く数千棟のアイパオビジネスが舞い込んだのです。数十億円ですぞ。カナダや欧州でもアイスフィッシング関係者が同様にオッファーを出します。一様に「これぞイノベーション、氷の上で何十年も凍っていたがこんな発想は遂に浮かばなかった」と。

ミネソタでのアイスフィッシング大会の様子です

勿論本件受注のお陰で皆がいっぺんに疲れを吹き飛ばし意気揚々と会場を後にしました。だが帰途の中洲士郎またしても難儀に。韓国入国の電子査証と日本入国のPCR検査不備で数十時間の一人旅でした。

さあこれで米国ルミカ再建だ。何事もやってみるもんだねえ。

そんなビジネスも面白いが矢張り男女の切ない話の方が・・・。

4年ぶりに韓国に入って永宣さんと韓食を漁色(?)しました。韓国大邱の実家で在宅勤務中のルミカ東京支店のP嬢も久しぶりに外の仕事に参加です。CESで約束したソウルの衛星都市城南市の起業家李氏を訪ねる道すがらでした。P嬢、車窓を過ぎる景色を見つめながら呟きます。

「何て偶然、ここは昔彼の街です。何度か来ましたよ。彼とは大邱でお付き合いしてて彼の転勤で遠距離交際に。次第に疎遠になって別れました」「だったら一寸だけでも電話してみたら?」「フラれたの私。私にも少しはプライドあるから電話しない!」多分彼の方も彼女を想っているだろうに。時には彼女に「どうしてる?」位声をかけてくれればいいのにね。年寄りの要らんお節介の中永宣さん運転のKIAはP嬢の昔彼の街を通り過ぎて行きました。

今日も年寄りの長い独り言に付き合って頂いて有難うございました。

サイリュームの話(その5)

先日老婆(ラオポ)からメッセージがありました。

「ちょっと福岡に行ってきました。に出てから知人達数人からルミカの会社名分かって知らせてきました」と。意味不明、一目置く達筆で文章家の婆さん(福岡に何しに行ったんや?)少し耄碌したなと放っておきました。

ところが数日後「会社の社長ブログで中洲士郎のプロフィールどうにかなりませんか🥲」の本文に気がついて(そうか中洲ブログが婆さんの知人に読まれたのか)「ちょっと福岡に行ってきました」はテレQの突撃取材に中洲がお調子に乗って出演した番組だと分かり文脈が繋がったのです。彼女の知人がテレQの番組見てルミカのHP開き中洲ブログに辿り着いた訳ですね。

例のプロフィールですが、これにも深謀遠慮の策が込められている事、未だ老婆(ラオポ)にも明かすわけには参りません。ただこのプロフィール、少しチャラ過ぎるなとは思っておりました。それが先日のことです。(チャラくていいんだ)と自分を納得させる出来事があったのです。

9月5日の事です。かの著名人青山学院陸上部を世に出した希代の戦略家原晋監督と対談する事になったのでした。箱根駅伝で日本中を歓喜させるあの原監督です。

「ここから変える」と言うタイトル、打診いただいて未練もあって強く断われず原晋監督を当日会社にお迎えする事になってしまいました。

ご当人は爽やかなスポーツ紳士で惚れ惚れする男前。ああ生まれて世渡り出来たらねえ~。女性にモテるやろうな~。

話し出したら止まらない中洲士郎、まあ一日盛り上がりました。原晋氏は乱世の雄、戦術家としてスポーツ事業の表舞台に登場しスポーツ界の常識を打ち破りました。そうです、監督仰る通りいつの頃からか日本の至る所「覚悟」が失せております。特に政治と産業界に。その強烈な覚悟は隠しおいて自らは「チャラい人間」としてメディアで演じられるところ,これこそまさに中洲が憧れる処世術です。威張りたいだけで覚悟のない連中を笑っておられます。

対談の相手にゾッコン憧れられて原監督、楽しく「ちょっと来た福岡」を後にされました。 (我は木偶(デク)なり。ただ踊るだけなり。諦めずただ無心に。原監督に触発されて)

そんなわけで老婆(ラオポ)に悪いが当分ブログに中洲のプロフィール留めおきます。

そりゃあ「ケミホタルの話」から始まる中洲の起業物語は人ごとの様に面白いですよ。しかし今思いついたんですがねえ原監督、それにライターの池田さん(これがまた当節の女優さんも3尺下がる程の美貌で)、このサイリューム6インチの秘話の方がもっと面白い。化学史上20世紀最大の発明品、ベトナム戦争で米兵達の命を救うべく世に出たのですが。そこかしこの沼地に斃れた兵士の胸に美しく化学の花が光って咲いたのでしょう。兵士たちを憐れむべく。

ベトナム戦争で

「このサイリュームが1976年モントリオールオリンピックで世にデビューするや中洲を含む20名程の「びっこのアヒル達」がこれに目を付けました。繰り広げられた争奪戦で数奇な運命を辿った「サイリューム物語」をモノにしませんか?スピルバーグも映画化を狙ったがこの中洲士郎と言う語り部がいなかったので実現しませんでした。どうでしょう原監督」

と口が滑ったのですが若しも今オッファー受けたらえらい事、アイパオでどうにも身動き取れないのです。そんな事情で用心のために「サイリュームの話」そろりそろりと復活です。

ClO2ピュアソリューションですが毎日中洲を実験台にして使っております。何か困った時は試してください。次回はピカイチの発明品、ClO2多目的洗浄器の裏話です。

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アイパオの話(その69)

夜思う。本当に何が幸せかって。飢える心配のないことか。「飢えたことない人には分かるものか」とも聞く。容貌がいい、頭がいい、歌がうまい、スポーツできる。そこらで秀でている人の幸せ感ってきっと奥が深いだろう。生憎中洲士郎はそのどれも持ち合わせていない。だからせめて毎日の仕事で改善と開発力だけでも比較優位でないと立場がない。

コロナ始まってもうすぐ3年、中国にも行けないので四六時中商品開発に明け暮れている。それにボケ防止のための漢文暗記だ。そろそろ身仕舞いの黄昏時になってこれがちっとも苦にならない。それどころか生まれて初めて面白くなって来た。

現在従事する開発を分野に分けると建築のアイパオ、食品のフードスプレー、健康の二酸化塩素、ロボットのアイロッド、雑貨ではエアブラシ他。その各々の分野に沢山のジャンルがくっ付く。

中でもiPAOは建築だから新規開発が無限に広がる。厄介なのはちょっと試作というわけにはいかないことだ。聞いたところでは国内に建築会社は48万社あって無数の人が従事している。誰もが開発で一発当てようと狙っている。その中でど素人の中洲一派に画期的な家の発明が出来るか? 仲間たちの猛暑との格闘を見ると「ヤバいゾ、迷路に迷い込んだんじゃないか」と時折不安が頭をもたげる。しかし仲間たちと新たな課題が解決すると又新しアイパオに挑戦したくなる毎日。

石川県小松市で旅行業のHISが新規に取り組むペット同伴グランハイド事業で2棟のロググランパオが大好評を得ている。続いて5棟に取り掛かる。先ずはその動画見て欲しい。

オノデラ氏作動画です。

ClO2ピュアソリューションはコアユーザーのご支持で順調に伸びております。

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由布農園の話(その34)

今日は又あの「島らっきょう」の話です。土曜日から泊まりがけで農園で遊びました。老婆(ラオポ)は気を利かせてお留守番。

今年の島らっきょうが凄い。真っ白い足が長く伸びてライバルカヤシマ農園のずんぐり丸型を打ち負かしています。顔も平たい美人形。それに葉っぱも青々しくキリリと引き締まっております。

ご覧のように葉っぱも生き生きしてます

この島らっきょう、20年もの間色んな物語を紡いで参りました。しかしここ数年は絶不調の出来でしたが向かいのカヤシマ先生のアドバイスで今年すっかり景色を変えた話です。

先生いわく畑の近くに生えているカヤ(ススキ)を刈り取って小さく切って土にすき込むとカヤに付着した地場の細菌や酵素が土を生まれ変わらせる。しかもそのカヤは畑近くのに限ると。カヤこそは畑の厄介者、何の取り柄もない雑草なのにです。

これを聞いた農園の相棒のニイザワさん、昨春しっかり枯らしたカヤを只で手に入れた細砕機を修理再生しカヤをサイジングして漉き込んでいました。確かに例年とは育ちが違います。空気をいっぱい吸い込んだ土に島らっきょうがしっかり根を張っております。一体全体自然界はどういう仕組みになっているのでしょう。

型がよく揃っています。

縄文の時代から日本人は何事でも研究熱心で仕事大好き民族だったのだと畑の中で実感しました。若者たちがアイパオで田園生活を楽しんで子供をたくさん作ればきっと日本は世界の憧れになりますね。

根を切って薄皮剥ぐとこんなに綺麗です

さて夕食を終えて。毎年の恒例、島らっきょう酢漬け作業での老婆(ラオポ)との一悶着です。何しろ敵はこと食材の加工では天才です。秘伝の引き出しを沢山持っているので平身低頭でお願いするだけ。拒否権発動されるのが心配で文句言えません。一夜明けて今朝瓶の中で揺蕩う美形を試食してオズオズ尋ねました。「あのう少しパンチが足りないようですが」に思案数秒「あっ。そうだ湯通しする前に塩をまぶしておくのを忘れてた」と。敵もやはり年か。畑には島らっきょうが未だ沢山あります。絶品酢漬け沢山こさえて配らなくてはいけません。

酢漬けの完成です。どうです。失敗作ですが美味しそうでしょう。

アイパオの話(その68)

夢を追う

ずっと昔安サラリーマンのあの頃。週末は4ナンバーのライトバンに家族5人で柴犬の「マット」を連れて旅に出たものだ。財布が乏しいので宿泊は狭い車の中。それでも楽しかった。いつも思ったのは「郊外の農園に家族で楽しめる小さな住まいがあるとどんなに良いだろう」って。

仕事で何度かフィンランドに行く。夏のヘルシンキ。週末になるとサラリーマンは一斉にマイカーで北を目指す(社長は残って仕事)。誰もが森の中、湖のほとりにサウナ付きの小屋を持っていてウキウキ飛び込むのです。白夜でした。男が小屋の屋根に座ってピンクに染まる湖面を見入っています。日本にもそんな生活あれば良いな。だけど日本のその景色に建つ家は想像できないがきっと素敵な小屋に違いない。

夢が形に

由布岳の麓、塚原の里にドーム小屋を作り始めていつの間にか15年経ってしまった。東日本と熊本大震災の復旧に馳せ参じたものの結果得られず。3年前、中国北京での防災展で新型アイパオ(PVCの骨組にポリカーボのパネルを装った)がデビュー、話題となって中国国営CNNテレビにも出演したが・・・。未だ売れる代物じゃない。2021年瀬戸内国立公園赤穂市の海辺に2棟のアイパオが立ち上がってようやく事業の産声が上がる。これにフィンランドから取り寄せたログ材を組み込んで初めて夢の正体を見つけました。

形をビジネスに

いい女性に出逢うと男は誰しも胸が熱くなるもの。だが爽やかな好男子それも静かで渋い笑顔の実業家となると男でも胸がドキドキする。そんな男がいた。故宗政伸一サニックス創業者が遺した宗像市のグローバルアリーナに彼はいた。彼に呼ばれてアリーナに沢山のアイパオを建てる説明を受ける。何とその費用は全てあの博多の怪人がポケットマネーで払うと言う。アリーナからの帰途その怪人からのメール。

「決して値引きするんじゃない、その代わりに良い仕事をしろ」と。企業家たちは凄い。中洲士郎未だ黙鶏たりえずせわしき事チャボの如し。

コムロデザインのThe Smoker。喫煙者天国の小型アイパオ。「喫煙者肩身が狭いからねえ」と。
アリーナに出現するかもしれません。

皆さまどうぞアイパオのデビュー応援してやって下さい。

二酸化塩素ストア頑張ってます。少しだけ世間のお役に立っているようです。

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アイパオの話(その65)

ふ~っと「一体何のために仕事しとるんやろう、何のために生きとるのかな」などと呻吟の真似していたら簡単に「ああ、人生はそういうことか」と感じさせられた1月29日からの1週間の旅でした。

前回甚だ自慢げにお知らせしたのが札幌の茨戸川ワカサギ釣り小屋ヤロー。それを2月2日NHK実況中継が予定される中、記録的な大雪でパオが浸水。それで札幌で凍え死んでの補修作業に続いて右膝がコクコクしながらの名古屋と海老名出張行です。

指揮官は難事に臨んでは決断する役目があります。川に浸かった小屋を発泡板で浮上させるかバラして再度組み上げるかにボンクラ指揮官は迷いました。NHKの生中継迫る中、奇策のパオ浮上作戦を敢行(その場は取り繕いましたがそれも2月7日の記録的大雪で再度浸水の憂き目に。結局作戦ミスでした)

床の氷にハンマー振うイシバシ嬢

くたびれ果てて右膝ままならぬ状態で名古屋の老医師のもとへ。蔓延するオミクロンから病院の看護師さん達を守ろうとの目的でソリューションでのウガイ実施を提案しておりました。今回その情況の検証です。それがいきなり年配の婦長さんの憎悪に満ちた眼差しの出迎えを受け更に「アタシね忙しいんですよ。あなた~、マスクが下がっているじゃないですか」の悪態に中洲たじろぐばかりで言葉が出ません。

それでかなり落ち込んでの最終目的地海老名入りでした。それがタクシー降りるなりまん丸い体躯と満面の笑顔のご婦人、それに4名の青年が丁寧なお出迎えです。「岡惚れしたアイパオの話がしたい、開発した社長に会いたかった」との熱烈求愛でしたから中洲、膝の痛みも忘れてヤニサガッテおります。

お相手様の事業は学童保育と街おこしという崇高な使命に燃えるNPOでした。そして例によって中洲節が炸裂。危うくご婦人を抱きしめて弾き飛ばされそうな夢談義でした。

海老名市のシャッター商店街、ブラブラだけの年寄りたち、放課後行く宛のない共働き夫婦の学童たちの町。と言っても静かな陽だまりに佇む平和な日本の片隅の光景です。

そこにボラティアの大学生達と図り市政と企業を動かして街おこしをしようとの使命に燃えるご婦人がアイパオに目を付けました。子供たちの為に「寄り道パオ」を建てようと企画されたわけですよ。

「よーしそれじゃあここにキャンパオ水族館、魚とザリガニもウジャウジャ入れて子供達にザリガニ釣りをさせよう。騒ぎに年寄りたちが仲間入りにやって来る。相鉄バス寄贈の「寄り道バス」の横にはコロナ療養パオ、アフターコロナではこれが学童保育児の自習室に。兄ちゃん達とスマホゲームに興じ、婆ちゃんがそこでボタモチを作ってくれる。

シャッター閉じた店主、ならば自分の店にもアイパオ建てよう。もう一度美味しい漬物の店を開けようと奮い立つ。

結局子供達が日本の沈滞を救うかもしれないな。

ヒラタ君専用の工作室をアイパオ事業室に使うことになりました。そこで追い出されたヒラタ君用にと倉庫に海老名仕様のログパオをこさえました。

そしたらネット通販チーム3人が不公平だ自分達も欲しいと。「やれやれ。一棟で勘弁してよ」と。そもそも領域侵犯の建築などに手を出して「パオと共に会社は去りぬ」ではサマになりませんです。はい。

アイパオの話(その62)

ひ孫に自慢する新製品(その7)

魚植共生アイパオの話の続きです。

ひ孫の時代になったら「ひいじいちゃんの時代って自然界の魚をとって食べとったの?野蛮人やね」「野菜を畑で作っとったの?馬鹿らしい」って言われるかも。

前回では川に浮かべた箱舟で野菜を栽培するという欲張りの魚植共生でした。結局2匹の鯉のうちの1匹が水槽からのジャンプで絶命、片棒の鯉が悲嘆に暮れる中プールアイパオを解体して魚植共生は仕切り直しです。

先ずは新しい鯉の調達。昼休み。会社のそばの大根川での鯉釣りにオールドナカムラ先生を誘ったら結局遊び好きの他のゴクツブシ連中も一緒の川遊びとなりました。

ここはヤングナカムラ君、橋の上から模範演技です。餌は横のコンビニの食パン、鯉は歯がないので吸い込み仕掛け、パンで針を隠します。何しろ雨続きの8月で水も濁り流れもあるので釣り名人も10個の眼差しの中で緊張しました。中洲は川底を這わせながら時折り餌を浮き上がらせる名人芸を感心して見るだけ。白いパンがぼんやり姿を見せた瞬間それを目掛けて草むらから黒い塊が猛ダッシュ。何しろ魚はでっかくて餌をくわえて古賀の海に向かってまっしぐら。道糸直結だから糸は無事だが針が延びて魚はなんとか逃げ去りました。

結局小型の鯉、それでも50cm余りの頃合いの仲間2匹を釣り上げて回転水槽に放ちます。これを待ち構えていたように先住の雌の鯉が嬉しそうにじゃれつきます。どうもこの鯉はただの男好きだったようです。

この回転水槽の上に12艘の新型野菜舟をホースで繋ぎ底にお魚トンネル兼台座を置いて舟を固定しました。鯉の糞で濁った水を野菜舟にポンプアップして循環させております。

アイパオの中には2段水槽を置いて例のヒメノさんの甘いトマトを挿木してもう直ぐ豪華魚植共生館のオープンです。

ひ孫の時代になったらデパ地下で養殖のエビや魚と一緒に新鮮野菜が生きて売られているでしょう。今と違って少し野蛮な光景かも知れません。

写真をご覧ください。

3匹の鯉が泳ぐドーナツ型水槽と固定した12個の水耕野菜箱です
野菜箱を支える台座に隠れたつもりの鯉くん

アイパオの話(その56)

ひ孫に自慢する新製品

(その2)水耕栽培アイパオ

さて今日は水耕栽培の話です。中洲のような妄想家なら必ずカブれるのがこの水耕栽培。中洲流イカサマ水耕栽培が20年経った頃ひ孫に自慢できるかも知れません。

1998年に由布岳の麓の荒地2000坪をインチキ業者に買わされて以来20数年、半分は岩と石ころで養分のない土に鍬をふるってつくづく感じるのは「農業ってのは割に合わん仕事」です。特に野菜なんか農家は雑草と戦って最後の収穫時が更に大変。洗って揃えて夜なべして僅かの代金貰った野菜が都会の店頭に並びます。しかし丹精込めたその野菜、一日経って少し傷めば生ゴミへの運命です。

店頭で野菜を水耕栽培して生きたまま主婦が収穫して買えばいいのに。そんな水耕栽培開発を西部劇のゴールドラッシュさながら一攫千金を夢見る連中に中洲も紛れております。そして毎週末にアイパオ農業開発が始まったのです。

マンハッタンのビルの屋上での水耕栽培や最近では西友が空き部屋で栽培したレタスをデパ地下で売ってるなどの話題が日経ビジネスのネタとなってます。アフターコロナの予感を読者に伝えようとの魂胆でしょうか。だが実社会ではiPhoneのようにセキを切って普及する気配がありません。理由は簡単、タカが100円の野菜作って売るのにLED照明や高額の設備に馬鹿げた投資です。アイパオを持っていない農業未経験の社長から命令されたサラリーマンに開発出来るネタじゃないのです。

国交省の邪魔の入らない10㎡で太陽光が燦々と入る風雨に強い清潔で美しいアイパオが20万円で市場に出て初めて農業革命が起きます。他にもヒメノ式ソーラー遠隔操作、コミヤ式センサー、ドガワ式自動運転それに中州式ボカシ液肥などの小道具も水耕栽培には不可欠です。現在のコスト60万円ではまだ話題作りですね。

以下妄想。ひ孫の時代にNYの市長が人気を得るためにマンハッタンの街頭に沢山のアイパオ野菜小屋を建てたそうな。その目的はニューヨークっ子達に新鮮な健康野菜を提供することと政治的に厄介なホームレスをその小屋の運営に充てて自立させることでした。金持ちホームレスの誕生です。この街角ニュースを知って日本政府が大金払ってそのコンテンツを日本に持ち込む話が持ち上がっているという話。如何でしょう。

街角なら写真の小さいサイズのキャンパオでしょうか。

グランパオだと結構大きいのです。しかも建築許可が要らない。

この野菜小屋では33段の棚があって一つの棚でレタスなら25個、合計800個のレタスが並びます。別の空き地のグランパオで栽培して逐次補充しますから一個100円なら一回8万円の売上うまくすれば月に200万円も夢じゃない。

これから起業するならアイパオ水耕栽培小屋ですよ。中洲は33歳の時、会社辞めてケミホタルなんてきわどい商売始めましたが。子供の学級預金まで使い込んだような危険犯す起業は今の若者には勧められません。中洲も先にこの野菜小屋の話知ってたら絶対これを選んでいました。

思い出したけど次女が小学校2年の頃の作文「ウチのお父さん」で「ウチのお父さんは何処かで働いていて時々蛍光灯(ケミホタルかブレスレットのことでした)を家に持って帰ります云々」だと。「美味しい野菜を持って帰ります」の方が家族団欒にはいいですね。

アイパオの話(その53)

4月29日札幌出張を終えて帰福の朝です。「仕事ってこんなに楽しいものか」と運転中の若い石橋君に共感を強いながら札幌郊外の「茨戸川緑地」に向かっております。

北海道は他所の日本と違って空と大地が広い。もしも歴史の中で日本に北海道がなければ、もしも敗戦で北海道が他国の手に渡っていたら日本は息が詰まる窮屈極まりない島国でした。ここは文字通り息抜きの大地です。土地柄か北海道人は気持ちがおおらかで新しい事に直ぐに興味を持つようです。その昔夜釣りの光「ぎょぎょライト」が真っ先に遠い北海道でブームになったのも頷けます。だから中洲最後の事業「アイパオ」もこの北海道に賭けることにしたのです。

そしてここは何より食材がいい。相棒の石橋君が「ワタシ北海道のジャガイモになりたい」との奇妙な言葉が農場主の藤井さんやその仲間たちに大受けしたので今回の同行となりました。実は今回のプロジェクトはこれまでで一番非現実的で事業性は限りなくゼロ。それで藁にも縋る思いで引っ張り出したところ至誠天に通じたのか正に奇跡的な展開になったのです。

こんなエキサイティングな話は滅多にない事。皆様しばらくライブで実況しますから是非一緒に楽しんで下さい。それにしても怠惰な日常にこのコロナ騒ぎでしょう。生きるのさえも些か辟易されておられる御仁にはこの究極のプロジェクトご参加をお勧めします。我らが残りの人生はエキサイトするためにあるのですぞ。

世の為人の為になって、面白く、且つ飯が食って行ける仕事を作り出したい。そんな夢見たいな話が現実のものとなろうとしているのです。例によってイカサマの匂いふんぷんの中で展開して参ります。

今年の2月末に奇抜な「ワカサギとれた小屋」を茨戸川(バラトガワ)雪原に作った福岡人が今度は「アイパオをタダで100棟ほど建てさせて下さい」と昨日再びやって来たのです。元来縁もゆかりもなかったその風来坊の話に乗って車で農場の中を、次は石狩川周辺の原野を散々走り回っての立地調査でした。雪原になると風景が一変する北海道の魔力でもっても「こんな所にアイパオ建てて人が来てくれるかなあ」と不安が募って参りました。

・・と。車は細い道路だけがよく整備された「自然のままの公園」に入りました。入ったら直ぐが少し場違いなパークゴルフ場。平日なのに 100人くらいの年配者が楽しそうにプレイしていました。札幌市が運営する「茨戸川緑地」だそうです。広い。数十ヘクタールはあるビオトープ主体の自然公園です。もう少し森林が生い茂るなら、その昔老婆(ラオポ)を連れてフィンランドで歩いた自然公園そのもです。日本にも立派な公園文化が育ってきているのでしょうか。しかし焚き火厳禁の看板の自然公園にキャンプのテントはおろかアイパオ建てるなんて事業主からは到底許可出る筈のない場所です。

安西さんの運転の助手席で藤井さんが「死んだ親父がねえ。広い農地を市に譲ったけどせめて記念にと少しだけ残したと言ってたが・・・」と。そこでその藤井さんの所有地を探し求めて細道をグルグル回ることに。変な話ですね。自分の土地が公園の中にあるなんて。それにしても鷹揚なもんですねえ北海道の人ってのは。「あれーこれか。ちゃんと柵がしてある・・・」何という事だ。これからとんでもない事がここから始まるのです。

生きてるとこんな面白い瞬間があるのですね。これは皆さんと是非共有しなきゃ。

ホテルで昨夜ビジネスプランを練りました。そして今朝相棒の石橋君を引っ張って夢に終わらない事を確かめに来たのです。これから世にも可笑しな物語を皆様と一緒に紐解いて行きましょう。

先ずその場所とは

プロジェクトの名前は「防災グランピング」この名前だけで中洲が何をおっぱじめようとしているか想像して下さい。明日そのプロジェクトの詳細をお話しします。