アイパオの話(その15)

この温泉街の一軒の温泉宿にチェックインして人気のない夜更け、近くの食堂に3人で繰り出しました。もう疲れ果てて先に温泉に入って休もうと2人を残して中洲1人宿に戻りました。大震災の傷痕を残した侘しい温泉旅館、暗い廊下をかなり歩いて行く手にボンヤリお風呂の灯り。どなたか先客1人。急いで衣服を脱いで引き戸を開けて濛々たる湯気の中「失礼します」と入り湯船に浸かって暫く・・・。はて声のない先客を見ると「狐か!」と思いきや。それは色白の丸いお尻を椅子に乗せた丸まげのぽっちゃりしたご婦人です。「すみませ~ん。間違えました」と湯船を飛び出し「こりゃヤバイことになる」と心配しながら廊下に出て男湯を見つけて誰も居ない湯船に飛び込んだのです。

暫くして庄助と太助2人が湯に入ってきました。騒ぎが起こったら助平の庄助のせいにしよう。彼なら女湯覗きの前歴があるから。「お前!又やったのか」とセリフを準備しました。少しばかり庄助に我慢して貰わんと「社長、女湯に入って御用」じゃ会社が危ないです。じっと顔半分まで湯船に浸かって息を殺しました。怪訝顔の2人、幸い騒ぎは起こりません。「やれやれ」ホッとすると脳裏に先ほどのご婦人の姿が浮かんでまいります。これって倫理規程違反かな。このブログにクレーム付いたら直ぐに消去しよう。だけどふとした縁で男女が仲良くなるのっていい人生ですよねえ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.